あの山この沢
丹沢、早戸川荒沢
旧丹沢観光センターの下流に深い淵で出合う沢が荒沢
今回は中流域の奥野林道終点の堰堤群から遡行
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コースタイム
奥野林道通行止めゲート350m→(65分)大平690m
→(20分)林道終点(荒沢堰堤)720m→(8分)堰堤8個上780m
→(10分)二俣825m3:2左へ→(4分)二股835m1:2右へ
→(15分)二股4;1左へ→(10分)4段13m滝上935m
→(20分)3段5m滝上990m→(10分)水流の湧き出し1070m水涸れる
→(10分)小尾根の上1140m→(20分)稜線・登山道1245m
→(10分)大平分岐1200m→(35分)大平→(55分)奥野林道ゲート
2005年4月30日
★早戸川間子小屋沢(笹ノ沢)のページもぜひ見てみてください。
★早戸川
の三日月橋の上流で林道から右下に広い河原が堰堤上に見える。この河原に左岸から合流してくる沢が井戸沢。井戸沢の上流で本谷は大きく左に弧を描いて向きを変え、さらに右折している。ここに左岸から合流している沢が荒沢だ。
★荒沢は出合から1時間も遡行すると二股に分かれ、右が荒沢本流、左は昭文社や山と渓谷社の地図では間子小屋沢、地元
での名称では笹ノ沢となる。実際は荒沢よりも間子小屋沢の方が水量が多く、地図上でも流程の広さや長さ、谷の深さからも間子小屋沢の方が本流っぽいのだが、地元の人や釣師の間でも、早戸川に出合う沢を荒沢と言っている。
★荒沢は、間子小屋沢を分ける二股から見るとずっとゴーロのような沢だが、奥野林道が大平を過ぎてこの沢と出合うあたりの中流域は延々と堰堤が続く。したがって早戸川の出合から荒沢を通して遡行する面白みはなく、かえって、下部の荒沢は間子小屋沢との組み合わせでのみ意味ある遡行となるだろう。
★この奥野林道を入口のゲートに車を止めて歩いて荒沢に入るには、林道を約1時間半歩く。林道が荒沢と平行するようになると、林道よりも下に何段にも堰堤が構築されているのが
見えるが、上からは何段あるのか正確には分からない。
★林道は堰堤で終点になる。終点から堰堤の端につけてある鉄梯子を頼りに越していくが、ほとんど誰もこんな沢を遡行しないのか、トゲのある木やブッシュに覆われてなかなか歩きにくい。
★堰堤を合計8個越すとやっと自然のままの河原になる。林道よりも下流にも何段もあるので、やはり、早戸川から通しでこちらの沢を遡行するのはせっかく下流の沢らしい雰囲気を
ぶち壊してしまうので、荒沢の遡行は奥野林道から上流部分だけにした方がいいだろう。
★雨が降るとこの沢は荒れていたので荒沢というそうで、たしかに側壁の崩壊が進んでいる。
★荒沢下部の詳細は、間子小屋沢(笹ノ沢)のページを参照のこと。
★堰堤を8個越して少し藪っぽいゴーロを進むと、すぐに1.5mぐらいの小滝が3つ続き、水量比3:2の二股となる。
★直進方向の右俣は少し奥に幅広の黒い6m滝を構えている。地元の人の話では、この右俣は滝場はここだけで、後はゴーロが続きそのうち沢は姿を消し黍殻山避難小屋のあるカール状広場に達するという。
★ここは水量の少し多い左俣に入ると、またすぐに二股になる。こちらは水量比が幾分多い右俣に入る。しばらく進むと、沢はゴーロからナメやナメ滝が現れ沢らしくなる。そしてまたまた二股。
★この二股は正面はゴーロで、左折して4段14m滝となっている。下の2m、5mは簡単に登れるが、3段目の5m滝は下部がハングしていてその上ヌメっているので登れそうもなく、その上の2m滝と一緒に右壁を大きく高巻く。右壁をよじり、ざらざらの壁を直上して、落口真上で左にトラバースするが、このほんの2mぐらいの木の根っこも岩の出っ張りもないざらざらの斜面は非常に怖い。ここのトラバースを避けるには少し右に回りこんでさらに上に登って、小尾根を乗っ越せば急斜面を降りてこれるだろう。
★傾斜も急になると側面の泥壁が崩壊し続けている所にさしかかり、3段5mナメ滝が現れる。しかしここも側壁の崩壊で倒木と大岩で半分埋まりかけているが、そのためかえって登りづらい。滝と大岩をツッパリでずり上がって乗っ越す。
★さらに3m小滝を越すともうほとんど源頭だ。しかしまだ水量はタップリある。正面に稜線らしきドンヅマリが見えてきてもまだ水は流れているが、近づいて見ると2m滝から湧き出してその上ではもう水は流れていない。伏流になっていて、さらに奥に沢が続いているわけでもない。もうそこで沢=ルンゼは終了、水が湧き出しているところが源流なのだ。ドンヅマリまでガレを攀じ登ると自然に右の尾根の斜面に出れる。
★この尾根らしき斜面に出たものの傾斜がものすごく急でなかなか尾根のテッペンに登れない。ザラザラのザレを右へ右へと斜上してやっと草付きの尾根に出ると歩きやすい疎林帯になって、これでこのまま高みを目指せば姫次・焼山稜線の登山道に出れるだろうと思っていたら、鹿柵にぶつかってしまった。
★この鹿柵左端は藪だらけで登りにくそうなの
で右に回り込むことにし、ほぼ等高線沿いにトラバースし始めたら、なかなか柵の切れ目がない。山襞に沿っていくつかの登り下りを経てやっと柵の切れ目を登ると、すぐに稜線、八丁坂ノ頭の黍殻山寄りの地点に出れた。
★3分も右へ歩けば青根分岐、さらに2分で黍殻山避難小屋入口、さらに5分で大平分岐だ。
★分岐から大平までは迷うこともないしっかりしたハイキング道だ。大平キャンプ場はもう数年前に閉鎖され、今はもうバンガローもトイレも炊事場も跡形もない。
★奥野林道をすたこら歩くよりも、早戸川林道を車で入って、一旦早戸川に下降して渡渉し大平へ登って行く一般登山道を利用する方が時間的には幾分速いだろう。