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神ノ川ヒュッテから北西に見える県界尾根稜線直下に聳える黒岩に、以前稜線の登山道から取り付こうとしたものの深い藪に阻まれ宿題が残っていた。
藪が枯れ落ちた季節が最も接近しやすいだろうと、今日は平石沢の右俣を遡行して下から黒岩底部に達し、稜線側の基部に攀じ登り、基部から黒岩突端に登頂してきました。
正確に記すと平石沢右俣の左沢の右の最奥の二俣を右に入ります。左沢の右からはゴーロを覆った残雪が深くなり歩くのも大変でした。急勾配の沢筋をつめていくとガレだらけの植林帯に入り、ここはここで下刈りした枯れ枝が散乱していてそれが雪に覆われさらに歩きにくくなります。
左沢に入る辺りではしっかり稜線に黒岩が見えているのに、近づくと植林が密集していてほとんど上部が見えず方向を見定めにくいのですが、ひたすら直上していくと仕事道が横断するので、凍ったこの道を少し右に移動。すると真上に黒岩が見えてきました。この辺り黒岩もどきの大岩・巨岩がいくつも屹立しています。不思議な地形です。大きな岩屑やとげのある藪だらけの猛烈に急な斜面を、すぐ左手にも岩峰が見えるので間違いないか空に突き出た高さを確認しながら直上し黒岩直下に達しました。根回りは幅10m以上はあります。高さは40m以上(実際は急斜面で仰ぎ見るのは大変でいい加減?)。最後に右から登るか左から登るかによってどちらに回り込めばいいか迷いますが、右は藪が多そうで、自然と左側底部を目指すことに。岩峰基部は結構緩斜面の広場になっていましたが、よく支えきれてるなと不思議になるほど根元は崩れています。
黒岩の左側の山の斜面はほとんど崩れた大きな岩の重なり状の岩壁で、この岩壁を潅木につかまりながら右へ左へと登っていくと、稜線からの基部(黒岩の刃渡りの付け根)に達することができました。
手前側の岩のテラスに立つと目の前に黒岩突端が見えるのですが、途中が刃渡り状でとても這って跨いでなんて方法では行けそうもなく少し下の方を見やると、岩峰左側(下からだと右側)に残雪の乗った幅30cmぐらいの棚が突端方向に走っているのが見えます。基部から左側に乗っ越して下降し、雪の被ったバンドをじわじわ進んで突端の向こう側(先っちょ)まで移動し、そこから突端上に這い上がることができました。・・・戻るには這い降りることになります。。。最大の恐怖です。
突端は意外と広く直径1.5mぐらいの円形状で平坦ですが、浮石が多いです。真下を見るとハングして突き出た岩の台地はすごい高度差、しかも風もビュービューでとても長時間座っておれるものではなく、さっさと引き返してきました。雪を被ったバンドは往きはよいよい帰りは怖いで、一度乗った足跡は滑りそうで恐怖でした。
基部からは一旦少し下降して斜めに尾根上に出ればよいのでしょうが、基部左(下から見たとき)から直接猛烈に密生した熊笹を強引に漕いで上に向かうとすぐに下刈りした枝が堆積したふわふわダムに乗り上がって植林をつかんで一安心。
ここは黒岩展望用?に伐採されて休憩適地。ここから鐘撞山方面に急下降(しばらくは雪原で道が不明)して、934mピークからは鐘撞山に向かわず東尾根を下り、800m付近から井戸沢に落ちる尾根に移って井戸沢に下りました。出発地の仮設ゲートまで1時間で下れます。
写真上は尾根側基部から黒岩突端、遠くに蛭ヶ岳。
下は突端から尾根基部を写したもの。
【IMGP0617.JPG : 191.1KB】
【IMGP0620.JPG : 192.9KB】
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