あの山この沢

丹沢、早戸川本間沢
4月というのに最上部はまだ雪渓に覆われ、
上部ゴルジュは崩れた雪渓の通過に苦労

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最後の堰堤を過ぎる
と、しばらくは苔むし
た河原歩きが続く


F1、12m滝

F2、8m滝
F1上にすぐに
続いて現れる

小滝が続く

小滝が連なる

大岩の滝

この滝は釜が深い

ゴルジュの小滝

3段25m大滝

二股左俣の8m滝
右から登れる
右俣には3m滝

S字状ゴルジュ
崩れ落ちた雪渓
の通過に苦労

スノーブリッジ

出口の大チムニー

再び小滝群

雪渓の断片と小滝

最後の大滝

河原も雪渓で埋まる
まだ薄い雪渓を踏み
抜いて歩きにくい

最後の小滝群

つめには標高差にし
て約250mの急勾配
の大雪渓が広がる

本間ノ頭からの下り
は、だたっ広い尾根
に残雪がびっしり

コースタイム
本間橋(旧丹沢観光センター)585m(8分)最後のコンクリ堰堤上610m
(20分)第1ゴルジュ入口715m(8分)F1、12m滝上740m
(20分)大岩ハング滝下770m(20分)二股(左8m滝、右奥3m滝)885m
(15分)S字ゴルジュ960m(30分)奥の二俣1075m
(40分)丹沢三峰登山道無名ノ頭と本間ノ頭のコル1335m(2分)本間ノ頭1345m
(30分)右手に鹿柵始まる1020m(20分)小沢を渡る765m(15分)本間橋

2005年4月2日(1994年5月21日)
早戸川林道の終点にあった丹沢観光センターは2004年の9月末で営業を止め、今は閉鎖されている。林道より下にあった事務棟や売店、バンガロー等はすべて撤去されているが、林道の山側にある宴会棟はまだ残っている。
この宴会棟の入口の先にかかっている橋が本間橋で、ここが本間沢だ。橋の先で林道が右にカーブしている所に3,4台路肩に駐車できる。
本間沢に入るには、本間橋を渡り返して宴会棟の取り付け道 (舗装路)の手前の作業用の草の茂った道に入る。宴会棟のそばを通り過ぎて、左に本間ノ頭に向かう山道(仕事道)を分けてそのまま沢に直進し、本間沢右岸を左からの枝沢を渡り本流の金属製堰堤3つを過ぎて、最後のコンクリ堰堤を右から越せば労せず沢に降り立てる。
本間沢は、滝がこれでもかこれでもかと続き、しかもシャワー覚悟ならどの滝も登れることで有名だが、4ヶ所現れるミニゴルジュはそれなりに狭く困難な滝もかかっているので、積雪期にはこのゴルジュの通過が難しいだろうと思い、 今回は雪渓が落ちきった時期に遡行することにした。
★堰堤上からしばらくは苔むした岩の平凡な河原歩きだ。ただし、距離の短い沢なので傾斜はかなりある。
河原からゴルジュにかわるとすぐに12mのF1が見えてくる。遠くから見ると簡単そうだが、実はそうでもない。中段まではヌメリにさえ気をつければどこからでもとりつける。次に中段左端から右上に斜上するバンドを登ればよいのだが、ここは真上からの落水をもろにかぶる。今回は雪解けでかなり水量も多く、 落水をもろにかぶりながら進もうとして全身ずぶ濡れになり、差し出す手先が凍えてしまったので断念。一旦下まで降りて、滝の手前右(左岸)にあるルンゼから巻いた。このルンゼ、岩がかなり脆いが、階段状で簡単に滝上に抜けられる。無理にシャワーを浴びるんじゃなかったと後悔。
★F1上はきれいな岩の台地で、すぐにF2、8m滝だ。この滝は右を直登できる。
★この後も次から次へと3〜8m級の滝が現れるが、どれも簡単に越せる。
はじめのゴルジュ出口には大岩のハング滝がある。左の岩壁バンドを登る。
大岩のハング滝を過ぎると沢はしばらく河原になり、15分も歩くと再びゴルジュになって小滝を越していくと二俣となる。右はかなりの傾斜の沢で、左は大きな岩壁の8m滝がかかっている。左俣が本流で、右のルンゼを少し登って左の滝壁を登るのが簡単だ。
しばらくはまた河原となるが、15分も進むとS字状のゴルジュとなる。ここにはまだ崩れ落ちた分厚い雪渓が残っていて、出口手前の大チムニー滝下ではスノーブリッジとなっていた。長さ(奥行)約4mのブリッジの下を潜るには水に浸からなくてはいけないしいつ落ちてくるか分からないので、セオリーどおり上を歩くことになる。しかし、これは踏み抜くとゴルジュの滝壺に落ちることになるのでかなり怖い。本来なら雪渓の一番端はこれまた危ないのだが、抜け落ちた時のダメージを考え、端を恐る恐る通過してチムニー下に到達。チムニー滝は左の壁が難なく登れる。
★チムニー滝を過ぎると、次の二俣までは小滝やゴルジュが連続し、所々比較的落差のある滝も現れるが、どれも簡単に越せる。
最後の10m滝は直登できそうだが、シャワーになるのも寒いので右から越す。
★この上の河原からは谷は雪渓に覆われた状態となっていたが、水流だけはのぞいていて、小岩の小滝を越すのに雪渓に載ると踏み抜いたり嵌まり込んだりで歩きづらかった。
最後の小滝群を越すと平凡な河原の明瞭な二俣(奥の二俣)となる。ここを左に入ると、沢はすぐに雪渓で完全に埋め尽くされた状態となった。標高にして1100mあたりからだ。表面はザラメだが、もう踏み抜いたり嵌まり込んっだりする心配もないほどしっかり締まった硬さだ。
★左手の尾根からの崩壊で、雪渓の上には多くの落石が転がっている。沢もいくつか枝分かれするが、どこも左へ左へと登っていくと、傾斜が猛烈に急になりこれ以上は渓流シューズでは踏み留まれないぐらいになるので、右手に小尾根に取り付く。
★地肌の出た急な小尾根を樹林に掴まりながら標高差にして100mぐらい登っていくと、丹沢三峰の稜線縦走路に出る。
この稜線に突き上げる早戸川の他の沢(円山木沢、太礼沢、瀬戸ノ沢)はみな稜線のコルにツメ上げるのだが、この本間沢はコルよりもかなり上、ほとんどピーク(本間ノ頭)そのものに到達する。右手の無名ノ頭との間のコルはそんなにコルというほどの高低差があるわけではないが、それでもそのコルよりもかなり本間ノ頭側に出る。
★縦走路を左へ2分も行くと本間ノ頭だ。本間ノ頭は以前は標識があるだけのピークだったが、今はベンチも設置され、少し広くなっている。
★沢で水流にジャブジャブ浸かり雪渓でつま先を蹴り込んだりしての遡行で足先は冷え切ってしまったが、地下足袋よりは結構マシで、したがってそのまま下ることに。
(旧)丹沢観光センターに下る道はベンチの裏(北)に、もう何が書かれているか読めない看板(「一般登山者は通行禁止」の看板)のあるところから赤布、ピンクテープ、白スズランテープ、青テープと踏跡(今回は雪に覆われ踏み後などなかったが)にしたがって下っていけばよい。
★初めのうちは尾根がだたっ広いので迷いやすいが、かつては夏場だとしっかり明瞭で迷うような所はなかった。今はまだ樹林帯も標高1100mぐらいまでは全面的に雪で覆われていて踏跡も見当たらないのでテープだけが頼りだが、この冬の豪雪で低木が雪の重みで倒れていたりして、道が枝等で塞がれたり通りにくくなっていたりする所もあった。
途中で左に派生する尾根に道が切り替わるあたりが迷いやすいので要注意だが、うっかり直進しないようにロープも張ってあるし標識もある。
★鹿柵が右手に見えると、そこからは所々鹿柵から左にそれることはあるが、ほとんどまっすぐ鹿柵に沿って下降していく。道はザレていて滑りやすいが、要所要所に虎ロープが張ってある。
★鹿柵から左へ離れるとすぐに小沢を渡り、炭焼き跡を過ぎると植林帯の中の道となる。観光センターの取水口でまた小沢を渡ると、観光センターの宴会棟が見えて来る。

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