東京司法書士会三多摩支会
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 支会ニュース「アダージョマエストーソ」 第126号 2013,11,09

 ■ 目 次
  1. 都市過疎対策委員会、八王子市の館ヶ丘団地で地域交流会に参加して活動を模索
  2. 足立支会長、仕事で被災直後の伊豆大島に行き、被災地を訪問
  3. 第3回、第4回財産管理人研修会が開催される
  4. 特定秘密保護法強行採決反対、国会前・議員会館前集会に参加して  

 平成25年11月7日(木) 都市過疎対策委員会、八王子館ヶ丘団地で地域交流

【活動内容】
 あけび会(民生委員主催による地域サロン活動)の見学にお邪魔しました。あけび会は、毎月第一木曜日に開催され、何らかの企画のあと、食事・お茶会、歌を歌って解散するのがいつもの流れのようです。
 今回は、各地を回って、歌を歌ったり、落語を披露したりしている池上さんという方が、10時から落語をし、11時から皆さんですいとんを食べ、最後に「もみじ」を合唱して終わりました。
 当初、端から見るだけの予定でしたが、急遽ご挨拶の機会をいただき、司法書士の簡単な紹介、本活動の説明をさせていただきました。その後、すいとんを皆さんと一緒にいただき、地域の方とお話しさせていただきました。
【今後の方針】
 あけび会の企画は3月まで決まっているらしく、もし何かやるとすれば4月以降に、というお話もありましたが、こちらで企画モノをやると大変なので、企画終了後、10分程度、最近の消費者被害や成年後見などの情報提供をして、 その後雑談に混ぜていただく、というような活動を考えています。今回の活動での「挨拶の部分」を「10分程度の情報提供」に置き換えて、ほぼそのまま継続できたら、お互い無理なく活動できるのではないかなと思います。
 シルバー交番とは、意見が一致しているのですが、あけび会とはまだこれからきちんと話し合っていく必要がありそうです(こちらが企画モノをやると思われているかも)。 今後、12月のあけび会も見学させてもらい、八王子支部の役員もそこへ同席してもらう予定です(シルバー交番に仲立ちしてもらいます)。
【委員の皆さんへご提案】
 あけび会は、シルバー交番の日頃の活動もあってか、司法書士の便乗のような地域活動にも寛容でした。シルバー交番のような組織がない地域では、拒絶反応があるかもしれません(シルバー交番の方も当初は相当苦労されたようです)。
 また、今回落語を提供してくれた池上さんは、三多摩地域ならどこでも行くと仰いましたので、もし企画に困っている地域があれば、ご紹介できるのではないかなと思います(シルバー交番の方に、司法書士と漫談のコラボも面白いのでは?と提案してくれました)。 (都市過疎対策委員会) →上へ

 平成25年11月13日(水) 足立支会長、伊豆大島の被災地を訪問

 10月26日、台風26号が伊豆大島を襲った。以下は、大災害から3週間後、たまたま仕事で伊豆大島に行く機会のあった足立支会長から報告である。
被災地を目の当たりにして
(支会長 足立直哉)
 平成25年11月13日伊豆大島に仕事で赴く機会がありました。台風26号の襲来により大きな被害を受けられた現地の方々には心よりお見舞い申し上げます。
 現状を目の当たりにして、大きなショックを受けました。テレビ等報道の画像で拝見するのとは比べ物にならない痛ましい状況でした。山肌がごっそり滑り落ちた痕、土石流が何もかもを流し去った痕、 おそらく此処に自宅があったであろう老夫婦が茫然と土石流が流れた痕を無言で立ちつくして眺める様子・・・。
 その場で何もできない自分の無力さを感じましたが、そんな中でも気丈に復興に資する何人かの町民の方とお話しができました。意外なまでに行政等への不満は少なく、むしろ今後自分達が自分
自身を守るのにどうするべきかに前向きな印象を持ちました。
 しかし町全体の老齢化が進むなか、復興に向けての前進は大変なことだとも思いました。今後我々としてもどのような支援ができるのか考えながら、船で帰路につきました。取り急ぎ報告まで。 上へ

 平成25年11月14日(木)、12月2日(月) 第3回、第4回財産管理人研修会を開催

全4回に分けて行われた「財産管理人研修会」の様子の報告。
 第3回目は、田無支部武藤進講師が、ご自分の担当しておられる事件についての解説を行い、さらに熊本県会の井上講師がコメントを加えるという形で行われました。
 事例は、相続財産を不動産の共有持分とする、縁故型の相続管理人についてでした。この事例では、不動産を他の共有者とともに売却し、売買代金が特別縁故者に引き渡されましたが、共有不動産特有の問題も指摘されました。
 その問題とは、不動産持分をもらっても現金化できないので、相続財産に現金・預金がない場合に困る。しかし、事前に売却しようとしても、他の共有者は特別縁故者が現れなければ、民法255条により自分のものになるので、 そもそも売却に協力しない。また、申立人が特別縁故者となる場合、書類作成者が相続財産管理人となると、縁故者のために動くことは利益相反になる可能性もあるとの指摘もありました。経験しなければ見落としがちな点が指摘され、 実務を行うに当たり、参考になる講義でした。
 第4回は、受講者が4つのグループに分かれ、実際にあった事例を基に作られた2問の課題を倫理的に問題がないかを検討し、それをグループの代表者が発表、熊本県会の井上講師が、解説を加えるという形式で行われました。
 グループでの検討では、積極的な発言が交わされ、倫理的な問題について各受講者から的確な指摘がありましたが、実務での対応の難しさも認識されました。
 これまでの3回の講義の中でも、利益相反についての質問が出
るなど、各会員の倫理意識も高まってきており、グループでの検討の最中に井上講師が解説に入る場面もあり、活発な議論になりました。
 井上講師からは前年度以前と比べてようやく倫理研修らしくなってきたとのお褒めの言葉と頂いて、今年度の財産管理人研修は終了となりました。   (広報委員会取材)  →上へ

 平成25年12月5日(木)、6日(金) 国会前での特定秘密保護法反対集会に参加して

 安倍政権が可決を急ぐ姿勢を鮮明にすればするほど、日を追うに従って盛り上がる法案採決反対の声が拡がっていった。国民の慎重審議を求める声や条文の曖昧さによる拡大解釈の余地を残す法案の危険性を訴える声など、 マスコミ、学者、評論家、文化人、芸能人、宗教者(統一教会・幸福の科学・創価学会を除く)等、国民の多くが今国会での採決に反対していたにもかかわらず、世論や国会前抗議集会の声をあざ笑うかのように、12月6日深夜、 自公政権は参議院本会議で強行採決した。
 本HP編集室は、国会審議の山場となった5日、6日、国会前反対集会に参加してきた。
 与党の委員会採決→本会議採決の強行が予想される5日は、朝から国会前には大勢に反対者たちが集まっているとの報道から、同日午後行ってみると、国会前にも、また参議 院議員会館前にも、毎週金曜日夕方官邸前で開かれている反原発・脱原発の集会の とき以上に大勢の人が集まって「採決反対」を訴えていた。
 時折、法案反対の国会議員も人並みに囲まれながら反対演説を
している。また、全国から駈け散じた一般の人々がマイクを代わる代わる持って思い思いのスピーチを繰り広げている。その合間合間に、石破幹事長言うところの絶叫=テロ行為が繰り返される。 声なき民の声を国会に届けるには、鉄格子で遮断された国会に届ける方法は大勢の 大きな叫び声しかない。デモに付き物のシュプレヒコールがテロにも値する行為だとすれば、選挙での演説もなくただ名前の連呼は絶叫=テロと呼ばないでなんと言えばいいのだろうか。
 午後4時9分、委員会で強行採決されたと情報が伝わると、参加者の「採決反対」「採決撤回」の叫び声はさらに大きくなった。日が暮れてくると、サラリーマンやOLたちの姿が目立ち始めた。友達と連れ合って
参加する者や単独でただひっそり自分の気持ちを表したいとの思いで三々五々詰め掛けてきた。
 与党議員も未明までの本会議で寝不足気味で、今晩は本会議はやりたくないらしく、今晩の強行採決はないらしいと伝わってきても、帰宅する人はちらほらしかいない。
 6日も朝早くから前日以上に多くの人が集まっていたようだ。午後行ってみると、今日は警察車両の配備が昨日とは打って変わって、正門からのデモ隊突入を阻止するぞとの警察なりのデモンストレー
ションか過剰な厳重警備体制だ。今日強行採決だなと警備体制から分かる。議員会館前でも大勢集まって採決反対を叫んでいる。が、国会前とは裏腹に、こちらの警備は前日並みだ。
 この日は『「秘密保護法」廃案へ!実行委員会』主催で日本弁護士連合会後援の『「秘密保護法」廃案へ!12.6大集会』が日比谷野外音楽堂で夕方6時半から開催され、約15000人が参加した。 集会後は野外音楽堂から国会前までデモ行進が企画された。同じ時間帯に、国会前、議員会館前では、昨晩以上の人並みが反対の声を上げていた。
 憲法21条で保障された「集会・結社・表現の自由」も、我が日本国では警察官僚の決めたルールに従わなければ、いつなんどき暴動=テロと看做される行為に指定されるか分からない風前の灯火状態の「自由」に過ぎないが、 しかし、実は警察自身がこんな柔な集会やデモは暴動にもテロにもならないと確信しているのだ。なぜなら、国会正門前では今にも突入があるのではないかと思わせそうな警察車両で覆い尽すという過剰警備をしていながら、 なんと横の門(北門やメトロ駅のある南門)や議員会館に繋がる裏門等は車両での封鎖もなく数人の警官が警備しているだけだ。この警備体制を見ても、実のところはさして警戒はしていないが暴動=テロ対策を口実として いくらでも過剰警備はするし、さらには事前の情報収集活動が必要との理由から公安警察の肥大化を許していく可能性がこの秘密保護法にはあるということだ。
 6日午後11時20分、多くの問題点、条文の曖昧さを残しながら、自公与党のみの賛成多数で強行採決された。
 特定秘密保護法に関し弁護士団体はいち早く問題点を浮き彫りにし反対の声明を出したが、我が司法書士の反応の鈍さには驚きを禁じえない。いや、それどころかネトウヨもどきの単純な「愛国」「売国」レベルでの 賛成の意見が散見されることははなはだ残念なことだ。誰しも国家の秘密にすべき事項を秘密にすることに反対す
るものはいない。この点ではネトウヨ言うところの「サヨク」でも反対はしていない。問題は、どこの先進国よりも官僚専制独裁の進んだ我が国において、国にとっての秘密を官僚が恣意的に決められることの合法化だ。 次々と判決の出る違憲状態の国会議員選挙とはいえ、国民が選んだ国会ではなく、選挙のない官僚がすべて決めていくことへの警戒感のなさはいかがなものだろう。
 官の決めることに逆らわない思想性を敷衍すれば、司法書士法第1条に規定する司法書士制度の目的「手続の・・・・円滑な実施に資し」とは、官僚の決め事にただ唯々諾々と従う姿しか見えてこない。 このような政治性は、お上の決めた手続を国民に粛々と進めさせる役割として司法書士は存在するのか、司法書士の有り様、また司法書士制度そのものを根本から見直さざるを得ない問題を孕んでいる。 そのような問題として考えてみたことはあるのだろうか、ネトウヨ的発想は司法書士像そのものの転換を迫る危険性を感じざるを得ない。
 拡大解釈はしないと審議中に総理が答弁してみても、強行採決に次ぐ強行採決を経て誕生させたこの法律は、その成立過程からして運用の強引さは推して知るべしだろう。     (HP編集室)  →上へ