東京司法書士会三多摩支会
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 支会ニュース「アダージョマエストーソ」 第149号  2015,09,29

 
 ■ 目 次
  1. 調布支部セミナーで「マイナンバー制度について」を開催
  2. 8・30戦争をさせない!9条壊すな!国会前10万人・全国100万人総行動
  3. 三士会ゴルフコンペの報告
  4. 9月16日、17日、18日、戦争法案廃案!安倍退陣!の声を無視して法案強行採決   

 平成27年7月29日(水)調布支部、マイナンバー制度についてセミナーを開催

 
 調布市7月29日(水)午後6時30〜調布市文化会館たづくり1001学習室にて、調布支部研修セミナーが開催されました。セミナーの受講者数ですが、調布支部が19名、他支部が8名で合計27名の参加がありました。
 今回は「マイナンバー制度について」の講演です。講師は特定社会保険労務士の山田芳子先生。日野市からいらっしゃいました。
 マイナンバー制度は日本に住んでいる個人に「個人番号」を付番し、行政機関との手続きに活用する制度だそうです。複数の機関に存在する個人の情報を同一の情報であるということの確認を行うための基盤となるようで、電子申請とも連携して、行政の事務全般を効率化する予定とのこと。普及が進むと住所変更などの手続きがいらなくなり、収入証明や住民票などを添付しなくてよくなる。更に給付金など不正受給防止してもらえる給付を行政からお知らせしてくれるようになるらしいです。
 山田芳子先生の講義は、「個人番号利用事務実施者」と「個人番号関係事務実施者」の2点が中心となる考えである、など要点が明快な大変わかりやすいものでした。
 実際には、平成28年10月から個人番号カードの交付の開始が始まります。そして、雇用保険、国税関係、国民健康保険関係で、マイナンバーの利用が開始される!ということでやはり講義を受けられた皆様、興味津々のようでした。
 初めての制度であり、耳慣れない言葉、とっつきにくい部分もあったかもしれませんが、非常にためになったなあと感じました。 (調布支部 刈谷誠一) 上へ

 平成27年8月30日(日) 戦争法案廃案!安倍政権退陣!国会前10万人集会

 「戦争をさせない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」主催による国会前10万人・全国100万人大行動が、全国各地で同時行動として取り組まれた。
 総がかり実行委員会の呼びかけに、学生グループ「自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)」や 大学教授や研究者らの「学者の会」、子育て世代の「安保関連法案に反対するママの会」など、安倍政権が推し進める安保関連法案に不安を感じて次々とできた団体が加わり、国会前には約12万人(主催者発表、警察の発表で3万5000人)が集まり、法案反対、安倍退陣の声を上げた。
 国会前の集会に合わせて、全国各地で様々な団体やグループが駅頭や繁華街でも戦争法案反対の集会やデモ行進を行った。その数は、実行委員会が把握しただけでも300か所以上にものぼり、この法案に対し多くの国民が反対していることを見せつけた。
 主催者による国会前集会は14時から開催なのだが、12時過ぎには既に国会前の歩道は集まってきた人々でいっぱいになり、地下鉄最寄駅では警官による出口規制や周辺道路の歩道も規制され、国会前にはなかなか近寄れない状態になっていた。主催者は、人がいっぱいになったら国会前の道路は開放してくれるよう事前に申し出ていたようだが、日本の警察は市民の民主主義の発現たる集会には強力な規制を張ることしか頭にはなく、警察車両や鉄柵のバリケードで狭い歩道に押し込める方針のようだった。が、13時過ぎには、あふれるばかりの人波にバリケードは決壊し、国会正面道路は完全に解放状態になった。平穏な示威行動だから、取り残された警官もどうすればよいか分からないながらも安全に人波ををくぐって部隊に戻っていった。
 集会参加者数について、政府広報紙たるサンケイ新聞では警察発表の3万人とか3万3000人の正しさを証明せんとばかり上空からの写真で証明していたが、これが正面道路の並木に隠れてしまっている側道や歩道の
国会前庭にも大勢の参加者が

人々、国会前庭(正面両側にある三角形の公園)に集まっている人々、警察の規制で国会前に進めない周辺の歩道に押し留められている人々を全く計算していないことを逆に証明することになり、警察発表はごく限られた国会正門前だけの人数であることがはっきりしてしまった。ちなみに、東京メトロ「国会議事堂前」駅では、警察の歩道規制や出口封鎖のせいで構内がきわめて危険な状態になったので、駅員が警察に出口を開放してくれと頼んでも警察が対応しなったそうだ。ホームに降りれない人は一つ先の駅で降りて、国会前に集まってきたのだ。主催者発表の12万人は、国会前に行くのに便利な地下鉄最寄り駅の乗降者数の統計からも(未発表の駅を除く)裏付けられているといえよう。
 集会では、民主党岡田代表、共産党志位委員長、社民党吉田党首、生活の党と山本太郎の仲間たち小沢代表が次々と簡易演台に立って最後まで結束して安倍政権の暴走と戦う決意表明をした。続いて音楽家の坂本龍一氏や作家の森村誠一氏、学者の会、弁護士会などが次々とそれぞれの立場から戦争法案の違憲性、危険性をアピールした。
 集まってきた人々も多種多様であった。ひと月前以上に若者の姿が目立った。中でも目を引いたのは創価学会旗を持って集まっていた集団だ。また、日の丸を掲げている人もいた。この人は、天皇の意思を尊重してほしいと訴えていた。いくら国家主義をむき出しにしようと、対米隷属を深める安倍政権に対し、国粋主義者や新右翼からの反発は当然ということだろう。 (HP編集室)  上へ

 平成27年9月5日(土) 三士会でゴルフコンペを開催

 平成27年9月5日(土)、山梨県都留市の西東京ゴルフ倶楽部にて、三士会親睦ゴルフコンペが開催されました。当日は少し肌寒い気温で、なんとか雨は持ちこたえてくれたという気候でしたが、絶好のゴルフ日和でもありました。
 このゴルフコンペは弁護士会・税理士会・司法書士会(三多摩支会)にて毎年共同開催されているもので、本年も三会総勢20名の参加で盛大に行われました。各組、三士のメンバー混合で構成され、士業相互の交流という目的も大いに達成できたと思います。またプレー後には成績発表・表彰式を兼ねたパーティーが同倶楽部にて開催され、さらに懇親を深めることができました。
 そんな中、我が三多摩支会より参加の大石直会員(立川支部)が見事優勝を飾りました。
 来年も楽しく開催されることを期待致します!
 なお、三多摩支会からの参加者は下記の6名でした(順不同・敬称略)。
 齋藤太市(田無支部)、八木岡英彦(八王子支部)、大石直(立川支部)、亀山勝(八王子支部)、
羽石昌宏(福生支部)、足立直哉(八王子支部)
(八王子支部 足立直哉)  上へ

 平成27年9月16日、17日、18日(水、木、金) 戦争法案反対で国会前に各界から集結

 安全保障関連法案=戦争法案は、17日午後4時半ごろ、参議院の特別委員会で自民・公明によって採決が行われ賛成多数で可決した。強行採決したというより、NHKの映像を見る限り採決そのものがあったとは言えないだろう。NHKのアナウンサーも何がなされているか分からないと繰り返していたのに、ある時から突然可決成立しましたと放送した。2階席から見ていて採決が見えてないものが、突然見えたことにしたのだ。常識的に考えても、このような賛成者による議長囲い込みにより周りから何をやっているのか分からない状態にしておいて採決があったとはとても言い難い。小中高生の児童会・学級会・生徒会で、
いや司法書士に馴染みの深い株主総会や取締役会でこんなことがあれば完全に無効だ。ありもしなかった委員会採決をもとに、本会議でも19日未明賛成多数で採決された。平和憲法のもとで70年間培った立憲主義・民主主義そのものが反故にされた日として記録されるだろう。
 この週は、いつ強行採決されるか採決前の最大の山場を迎えることになるということで、「戦争をさせない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」は14日(月)から連日の総行動を呼びかけていた。8・30総行動と同様に、SEALDsやママの会、学者の会、弁護士会など法案に反対するあらゆる団体・グループ・個人がこれに呼応して毎日毎晩、国会前に集まった。ハンストをしている学生たち、未明までシュプレヒコールを叫ぶ団体、座り込んで静かに読経を唱えるお坊さんたち、子連れのママたち、学者、法律家、芸能人、老若男女を問わず雨にも負けず安倍にも負けずとありとあらゆる人々が全国各地から国会前に詰めかけた。

 野党4党首は毎晩演台に立っては挨拶や国会報告をし、各界著名人・芸能人たちも法案の違憲性、立憲主義・民主主義の危機を訴えた。 
 3年前の反原発集会以降、日増しに警備が強化される中で、鉄柵による歩道への押し込み、バリケードや装甲車による道路封鎖も強化されてきていたのだが、14日には押し寄せる人波にまたもや鉄柵が決壊し国会正門前の道路に人が溢れ、この映像が夜のいくつかの局のニュースで流れた。こんな映像を二度と流させるなとの政権の意向か、16日には装甲車で5pの隙間もないほど車道に壁を作り、側道には鉄柵を鉄パイプとロープでつないで決壊を防ぐという、民主主義の発露としてのデモを規制したのである。曰く「安全のため規制しています」と。鉄柵でがちがちにバリケードを築いて、歩道から側道に人々がはみ出ないよう規制し、中央の車道も装甲車で封鎖している。一般車は通行できない。車道全体が車の通らないガラ空き状態で、歩道は混み混み状態。お祭りやパレードであれば常識的に当然車道全部を開放して

人々の行き来をスムーズにするだろう。警察の規制は安全のためではなく、完全にデモそのものの規制である。言ってみれば、仮想敵国の天安門広場の規制と何ら変わるところはない。あちらの国に民主主義がないなどと言う資格が現政権や警察にあるのか。一昨年末の特定秘密保護法といい、NHKの私物化といい、原発再稼働といい、今般の戦争法案といい、安倍政権が目指す戦争できる国作りは、同時に言論封じ込み、国家統制の徹底だ。したがって、かの国以上に厳しい規制をしていかなければならないのだろう。一例として、この16日から19日までの国会前集会での逮捕者が20人近くにのぼり、これに対し素早く家宅捜査まで警察はしているのである。原発事故では一度も家宅捜査はしてないのにである。
 戦争法案成立後いち早く「一億総活躍担当相」を置くと発表したが、昭和6年(1931年)の満州事変から、昭和12年(1937年)町内会の組織化、昭和13年(1938
年)の国家総動員法、昭和15年(1940年)の大政翼賛会の成立、町内会の大政翼賛会への統合(末端化)、そして昭和20年(1945年)の「一億総玉砕」の音頭のもとでの竹槍訓練に至るまで、『総動員』までには15年もかかっているのであり、この「一億総活躍」の目指すところが戦前の国家総動員・一億総玉砕との類似性を無視するわけにはいかないだろう。すなわち、今のこの時を『まだそんなことはないだろう』なんて悠長に手をこまねいておれるのか、将来、振り返ってみてあの時だったと後悔することは許されない。戦前の「日本を取り戻す」と宣言しているのだから、確実に目標としているのは戦前回帰、国家主義日本である。
 国の形が大きく変わろうとしている今の時に、国会前に行って見てみることもしないでいいのだろうか。弁護士団体が幟旗を掲げて立憲主義を守る行動に立ちあがっているとき、法律を語りはするものの政治には無関心・政治を語らない司法書士の存在価値とは何だろう。単なる手続き屋でいいのだろうか。
 今、立憲主義を破壊し民主主義を踏みにじるものだと叫ばれる所以は、実は、政権につく議員・同調者・支持者・ネトウヨの振る舞いそのものが戦前の国家主義・全体主義そのものを体現しているからである。支持者たちはこのことが分かっていない。
 近代市民社会が成熟した米国や英国、仏国などは軍事大国ではあっても、個人の確立のもと市民の政治参加、民主主義がそれなりに徹底している。政府を批判するメディアへ露骨に圧力をかけるとか、デモに対して暴力的に規制するとか、政府に批判的な意見を排除するとかの非民主的な対応はないだろうし、個人が組織に埋もれてしまうこともないだろう。日本では、軍事大国化が、同時にその為政者・支持者たちによって、民主主義のルールそのものまですべてかなぐり捨てて恣意的に反対者を・市民を抑圧する方向で現れる。そこにはまた、個人の自由・個人の判断が一切できず、組織がすべてになってしまう。

 戦前の轍が、現在においても繰り返されていることが一番の問題なのだ。自民党議員のように組織の中で個人の意見が言えないようでは、まだまだ近代市民社会から遠い。3代世襲のかの国の体制を支えているのもそんな人たちだ。戦争法案支持者は、自分の好みでない国に反政府デモが起きた場合と、好みである自公政権下のわが国でデモが行われた場合とで、自分がどう見解を変えるのか自分の胸に手を当てて考えれば、論理不整合はすぐに分かるというものだ。国家主義、全体主義はそういう人たちによって支えられているのだ。自らの頭に民主主義の発想があるだろうか。よもや、多数決だけが、あるいは選挙だけが民主主義だと、法律家を自認する司法書士が勘違いしていることはないだろう。これは単なる惰眠主義だ。民主主義とはデモ暮らしだ。  (HP編集室)  上へ