あの山この沢
丹沢、水無川本谷
(付録)木ノ又大日沢
政次郎尾根を戸沢出合へ下る
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コースタイム
戸沢出合570m→(25分)水無川本谷F1、10m滝下730m→(20分)F4上840m
(5分)F5下870m→(2分)書策新道交叉880m→(10分)F6下930m
→(8分)四条5m滝1025m→(5分)F7下1030m→(2分)金冷シ沢出合1045m
→(15分)F8、20m滝下1150m→(10分)F8上1190m→(13分)二俣(右へ)1220m→
(3分)F9、10m滝下1230m→(4分)F9上1250m→(3分)石積み堰堤ここで水涸れる1270m
→(15分)枝尾根上1340m→(15分)登山道1440m→(4分)塔ノ岳頂上1490m
→(16分)木ノ又大日1396m→(10分)新大日1335m→(6分)書策小屋1255m→
(4分)政次郎尾根分岐1205m→(45分)戸沢出合
2001年10月21日
★あまりに有名な沢だからなのか、各滝やこれまた有名な枝沢に案内板があって興ざめするし、緊張感に欠ける沢である。
★書策新道入口を過ぎてから最後の堰堤は水流沿いを行くと堰堤際が大きく抉られて乗越に窮する。手前から林道状の部分を進むと地面が崩れている所の山側の岩壁にロープが取り付けてあるので、そこからいったん左上してからトラバースし、堰堤上に降り立つ。
★F1には左壁に鎖が取り付けてあるが鎖に頼る必要なく登れる。ただし落口で気を抜くと危ない。
★すぐに本谷F2の看板の掛かっている5m滝がある。右手は「セドの沢入口」の看板も掛かっているセドの沢。F2は右の乾いた壁を登る。
★F3までに小滝が続く。F3(8m)は左(右岸)の鎖の掛かった壁を登り落口にトラバース。さらに小滝が続くが、どれも簡単に越せる。
★F5(2段13m)がこの沢のハイライトか。右壁(左岸)に鎖が掛かっているが、ホールドはあるのでさして頼るほどのこともなく落口に到達できる。
★F3からF5にかけて、左岸のかなり上に真新しい(ステンレスか)鎖が掛かっている。高巻き用のためかもしれないが、あんな高い所を高巻くのは怖そう。
★F5の上で書策新道が沢を横切り、ここから7〜8分で木ノ又大日沢出合である。気をつけないとならないのは、この木ノ又大日沢が正面で、本谷はここで左折していることである。F6は出合から見える。
★F6チョックストン滝(7m)は、ぶら下がっているシュリンゲを掴んで腕力で這い上がる。ハングした岩の下に右足を踏み込める程度のフットホールドがある。
★単調な河原歩きが続き、金冷シ沢出合(看板がある)を過ぎると、眼前は荒涼たる火口のような地肌の地形になって、岩がボロボロのF8(20m)となる。
★右壁の滝に一番近いルンゼは下部が抉られていて取り付けない。2番目の(下流から行くとこれがいちばん顕著な)ルンゼを登り、落口ぐらいの高さから左の小尾根に移りざらざらの急斜面を木の根っこに掴まりながらさらに登ると、左のルンゼを横切り落口に至る斜面に取り付けそうな踏跡を見る。落下しないように慎重に泥のルンゼを横切って疎林の斜面に達すればもう安心、前方にゆるやかに下降すれば河原に降り立てる。
★二俣を右に行くとすぐに最後の滝F9(10m)が立ちはだかる。F9は右のルンゼを登り、ルンゼがスラブ状になる前に左に逃げ左上する。落口に降り立つのも容易である。
★河原に降り立つと、すぐに石積みの堰堤になり、水はここで涸れる。
★堰堤の上はガレとなるが、まだ上に石積み堰堤は5〜6個続くが、ガレを登るよりは、早めに右手の枝尾根に這い上がる方が楽である。
★尾根上まで達すると、明瞭な踏跡がある。尾根を登りきると、表尾根登山道にたどり着く。左に4分で塔ノ岳頂上である。
★下山は、新大日経由、政二郎尾根道で戸沢出合まで1時間25分。
木ノ又大日沢(本谷遡行の前日)
コースタイム
戸沢出合570m→(25分)水無川本谷F1下730m→(25分)書策新道交叉880m→
(8分)木ノ又大日沢出合(本谷F6が左奥に見える)910m→(20分)2段10m滝上1070m
→(5分)二俣(左へ)1100m→(10分)6m滝(この上でインゼル状岩稜)1180m
→(15分)奥の二俣(ガレの二俣)ここまで水流ある1250m→右手の枝尾根に取りつく
→(22分)登山道1390m→(2分)木ノ又大日1395m→(10分)新大日1335m
→(6分)書策小屋1255m→(3分)政次郎尾根分岐1205m→(45分)戸沢出合
☆10月20日、本谷を遡行する予定で書策新道交叉地点まで快調にとばして来て休憩をとろうとしたら、書策新道入り口付近で出会ったハイカー集団が先着していて休憩していた。少し避けて座り込む場所探しをしている私にいろいろ尋ねてくるので、応答に煩わしく、もっと先に行って休もうと独りブツコタ考えごとをしながら走り登って、結局うっかりF6を見過ごし、木ノ又大日沢に入ってしばらくして間違いに気付いた。どうせ連チャンで来る予定だったからこっちを先にするかと遡行続行。この日は帰宅してからも順番が狂いっ放しで、画像をパソコンに取り込む前に削除してしまった。
★出合からしばらくは河原が続くが、そのうち小滝が連続しゴルジュ状になる。どの滝も快適に登れる。
★遡行図にある滝が、帰宅してから確認してもどれがどれか分からないぐらい滝はあるが、たいして傾斜がないので、大きな滝には見えない。沢自体の傾斜はかなり急である。
★奥の二俣から先は広大なガレになる。傾斜が急なのでガレを登るのはやめて、右の小尾根の際を登る。尾根の傾斜自体も猛烈に急だから立木に掴まりながら登っていくと、苔に覆われたロープがある。枯れ木と同じような色をしているので始めはロープと確認しにくい。
★ロープを目印に尾根に這い上がると、明瞭な踏跡になる。これをひたすら登ると表尾根稜線に達する。
★稜線直下で踏跡が不明瞭になるが、笹藪に突っ込むより、左にトラバース気味に水平移動すると、登山道に出れる。
★右に2分行くと「木ノ又大日」の標識があるが、展望はきかない。さらに1分進む(下る)木ノ又小屋がある。
★水無川本谷は書策新道を過ぎると、F6が腕力で登る、F8は大崩壊した地形の高巻き、とハイライトもなくはないが、F5までで滝登りは終わり、かなり単調な河原歩きとなるし、高巻きも他の沢に比べると困難でもないので、小さくても滝登りを続けガレをつめ、尾根に早く到達して下山したい向きには、こちらの木ノ又大日沢の方が楽しめるかもしれない。