山の写真集 あの山この沢

Self Rescue Technique
雨具で負傷者を背負う

仲間が山で怪我をしたり急病になったりで歩けなくなった場合、近くの山小屋までやヘリコプターでピックアップしてもらえる場所まで、その場に居合わせた仲間達で背負わなければならない場合がある。こんなとき、ただ単に背負っていては数分ももたない。持ち合わせの山道具で救助者にとって楽に背負う方法、もちろん負傷者にとっても楽に背負われる方法だが、これをいくつか知っておこう。今回は雨具(雨ガッパ)で背負い紐を作ってみよう。

@ 雨具の上着のチャックを閉めて、両サイドのポケットにシュリンゲやハンカチを丸めたものを入れる。これはすっぽ抜け防止用のダンゴになる。
A この上着をズボンの中に入れ、上着のポケットの中のダンゴの上で、ズボンの胴をしっかり縛り付ける。このときの結び方はシートベント
(注)がいい。
B 上着の袖とズボンの裾を結ぶ。ここは本結びだ。ここにできる輪の中に背負う人の腕と肩、背負われる人の太股が入ることになるから、その人たちの体格に合わせてこの輪の大きさを調節することがポイントだ。
C 背負われる人のお尻が下がると背負う人もつらいので、お尻に銀マットなどを当てるようにする。このとき、お尻だけでなく太股もカバーできる大きさにする方が背負われる人も太股が圧迫されなくて楽だ。
D 背負われる人の背中まで雨具が覆えるような位置になるように背負うのがコツ。背負う人の肩にタオルなどを当ててくい込みを和らげよう。
 
 
(注)
シートベント

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