巻機山、登川米子沢

下流から中流の大きな滝、上流の大ナメと草原が美しい巻機山を代表する沢

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長いゴーロが終わり 水流が出てくると、 Ｆ１からナメが始まる	ナメ沢出合 最下部ナメを登ると 左からナメ沢が出合う	３段手前のトイ状滝	３段40m滝１段目	３段40m大滝２段目 トイ状滝をへつって 1段目左岸から巻く
３段40m滝３段目 右を巻く	左右どちらからでも 登れる20m滝	これも左右どちらか らでも登れる20m滝	真ん丸なきれいな ヒョングリ滝の釜	ナメの中に小滝が 続き、快適に登る
再びゴルジュが始 まるが、どこも簡単 に越せる	12mのスダレ状滝 正面の岩峰は通称 ツバメ岩というようだ	上部のゴルジュは 水流から外れない ように積極的に進む	２段７m滝	この沢最狭のチムニー
二条20m滝	大ナメ手前の12m滝	大ナメ下段 傾斜はそれほどで もないが滑りやすい	大ナメの中に所々現 れる６〜８mの滝は どれも簡単に越せる	大ナメ中段 上部ほど傾斜が緩 やかになってくる
大ナメ上段	小滝が続く	小川のような流れ	ナメと草原がきれい	二俣
二俣を過ぎると 流れは細くなり傾斜 も緩やかになる	小屋の水場で遡行終 了、左の踏跡を登る とすぐに小屋がある	小屋から見た割引岳、 巻機方向、右下が 遡行してきた米子沢	ニセ巻機から見た割 引岳（左）、右が巻機 の山並み	展望台からの米子沢

コースタイム（ ５人）
桜坂駐車場735m→(45分)最初のナメ滝Ｆ１910m→(15分)ナメ沢出合970m
→(25分)３段40m滝上1065m→(35分)スダレ状滝（ツバメ岩）1350m
→(55分)大ナメ直下の20m滝1440m→(35分)大ナメ終わる1630m
→(35分)二俣1730m→(10分)遡行終了点1775m→
(５分)巻機避難小屋1800m→(10分)ニセ巻機1861m
→(70分)展望台（５合目）1130m→(30分)林道770m→(10分)桜坂駐車場

2004年９月18日
★米子沢は事故多発と源流部の植生保護のため遡行禁止になっている。これを念頭になるべく自然を荒さないよう小インパクトな登り方をしなければいけないカナ。
★駐車場にかかる橋の下が米子沢だが、ここは水流がない。ここから登ると下部の堰堤越えに疲れるので、来た道を少し戻って料金所の小屋の前の林道を左に入り１５分ぐらい登ると、河原に降り立てる。降りたところにある真ん中がくりぬけている堰堤を過ぎて、ゴーロを１５分も進むとやっと水流が出てきた。
★さらに１５分ぐらい進むとＦ１が現れ、ここからナメが始まる。Ｆ１は左隅から登ってバンドを下って水流を右に渡る。
★巻機山は百名山の一つになっているため稜線や源流部に大勢の人が入るからだろうか、正直言って水はきれいではない。裏丹沢や奥秩父に比べるとウ〜ンと汚い。ここから上流のいたるところ現れる釜も水が澄んでいるところは一つもない。まるで表丹沢や奥多摩の人気のある沢と同じくらい釜の水はにごっている。日当たりがいい割には富栄養気味に苔が生えたりして、水辺は一面ぬめっている。したがって、傾斜の緩やかなナメなのに、意外と滑りやすくておっかない。
★はじめのナメを過ぎると左上から一直線に流れ下るナメ沢を合わせて、ゴルジュとなる。１つ目のヒョングリ滝を過ぎ、トイ状５m滝は左をへつって落口に抜け４m小滝を登ると３段40m大滝となる。落口を右に渡って、左岸を小さく高巻く。岩壁の淵スレスレを全部の滝を見ながら巻くのが最良だ。トイ状滝手前から右岸を高巻くルートもあり、仲間２人はそちらをとったが、足場の悪いかなりの藪の中を一気に急登し結構大変だったそうだ。うんと先行していたパーティーも我々３名が滝上のスラブで休んでいるところにやっと出てきたぐらいだ。
★右から入る栂ノ沢を過ぎると、左右どちらからでも登れる20m滝やいくつかの小滝となり、その上は尖ったゴーロの崩壊地となる。崩壊地を抜けるとナメや小滝の繫がる岩床となり、きれいな真ん丸な釜を持つ２つ目のヒョングリ滝がある。広い岩床なのであえて滝を通過しなくてもすむが、どこも滑りやすい。
★正面にツバメ岩が見えると、その下に流れ落ちる滝が12mのスダレ状滝だ。今回は水量が少ないのだろうスダレになっていなかった。
★沢が直角に左に曲がると、水流は岩畳の溝の中を流れる所があり、そこを過ぎるとゴルジュとなる。このゴルジュは左岸を高く高巻くルートがあるようだが、ほとんど釜に浸かったりへつったり直登したりで、水線通しを突破できる。
★８mトイ状滝は中段で右にトラバースして抜け、沢が右折したところにある２段７m滝は右が簡単。次の最狭部1.5mのチムニー滝は左岸にトラバースできるバンドがある。ゴルジュ出口にある二条２０m滝はやはり今回は水量が少なく二条にはなっていない。この滝はホールド・スタンスは豊富。
★大ナメが始まる手前の１２m滝は、中段から上は左隅が登れる。この上から大ナメが延々と続く。
★大ナメは大きく３段に分けられ、中段の手前には８m滝が立ちはだかっているが越すのは簡単。中段は左に緩くカーブし休憩適地がいくらでもある。上段手前にも小滝がいくつかあるが簡単。
★ナメが終わり小滝をいくつか越すと、流れは小川のようになり、傾斜も緩む。
★二俣は、右は自然保護のため入山禁止だ。左に入ると、益々傾斜はなくなり水量も減ってきて、じきに巻機小屋の水場（というより、水酌み場）だ。これより先は流れを汚してはいけないので、遡行はここで打ち切り、左の茂みを１０mぐらい登ると、目の前に立替中の小屋があった。
★小屋から１０分ほど登ったところがニセ巻機といわれる前巻機、３６０度の大パノラマを満喫して、下山にかかる。が、ここから駐車場まで下る井戸尾根は長い長いひたすらの下りだ。下りにバテ切ったころ展望台があり、眼下にナメ沢を分けた後の３段４０m滝があるゴルジュやナメが見渡せた。
★東京で真夏日だったこの日、遡行には絶好の天気だった。沢で濡れても休憩しても寒くなく、稜線での微風も心地よく、しかし、樹林帯まで下ると暑いこと暑いこと、汗をかきすぎ疲れきってしまった。
★休憩時間を含め、登り約５時間３０分、下り２時間１０分。

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