あの山この沢
丹沢、水沢川伊勢沢
下流部の薄暗い谷には大きな釜のある小滝、
焼小屋沢との中間尾根から沢沿い仕事道に下降
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コースタイム
奥野林道通行止めゲート350m→伊勢沢林道に入る→(25分)伊勢沢出合上485m
→(3分)焼小屋沢上505m→(1分)焼小屋沢出合495m→焼小屋沢を下る→
(7分)伊勢沢出合465m→(15分)8mCS滝上495m→(30分)2m・3mナメ滝上565m
→(35分)林道終点655m→(65分)二俣905m(左へ)→
(12分)奥の二俣・左が本流(右へ)970m→(40分)境界尾根1130m(左へ)→
(3分)登山道・尾根分岐のピーク1140m→同じ尾根を下る→(10分)980m地点
→右の広くなだらかな小尾根を下る→(5分)鹿柵に入る890m→
(9分)鹿柵出口820m→(5分)伊勢沢沿い仕事道785m→(16分)林道終点655m
→(17分)焼小屋沢橋545m→(4分)音見沢橋510m
→(25分)桃ノ木沢林道360m→(5分)水沢橋車止めゲート
2007年6月17日
★水沢橋の通行止めゲートから舗装された伊勢沢林道を25分もテクテク登っていくと左手対岸に深く切れ込んだ谷が見える。この谷が水沢川の本流伊勢沢で、林道から40mぐらい下で音見沢・焼小屋沢と出合う。
★谷の地形からすると一見焼小屋沢
・音見沢の方が本谷のように見えるが、水沢川流域の最高峰黍殻山を源頭とし最長の流域を持つこの伊勢沢が、やはり本流ということになるだろう。
★出合付近の林道から直接伊勢沢出合へ楽に降りれそうなところはない。林道をもう少し登ったところでやはり左手から焼小屋沢が出合う(音見沢
と分岐する)ので、ここで沢に下降する。
★伊勢沢出合は、新緑の季節から枯れ葉の落ちる季節までの間は、この伊勢沢林道からは樹木の葉が邪魔して見えない。
★焼小屋沢出合へは、伊勢沢出合を過ぎて対岸の谷の切れ込みのところで、路肩に小さな地蔵が祭ってある少し先にガードレールが壊れて宙に浮いている所があるので、そこから斜面を立木に掴まりながら下る。
ほんの10mぐらいの下降で出合にり立つことができる。
★焼小屋沢出合は平凡な河原で、ここで沢支度して沢を下る。すぐに(数mで)6mの滝が現れる。
★6m滝は落口に沿って(右岸)右端までトラバースして、右端の泥ルンゼを走り下ればよい。トラバースでの1、2歩に注意が必要だが、泥ルンゼはさほど傾斜はない。
★すぐに水が涸れて一枚岩の溝のような地形やゴーロを下っていくと、平凡な河原に右から水流のある沢が出合う。これが伊勢沢だ。
★ゴーロの河原を入ると沢はすぐに左折して、大きな岩の重なりを過ぎるとナメと小滝が現れる。
★大きな淵を持った苔で覆われた小滝を過ぎると、谷は狭まって8mチョックストーン滝となる。滝中段まではシャワーで登れそうだが、そこから上のCSはハングしていて難しそうだ。それに何よりも滝に取り付くには、手前の暗く底の見えない深そうな釜に浸からなければならない。さっさと諦めて高巻くとする。
★両岸岩壁となっているが、左右どちらからでも巻けそうだ。右は手前の泥付きルンゼを這い登って左の岩稜に取り付いて相当上まで巻いてから降りることになりそうだ。左の方が大高巻きにはならないだろう。
ということで左端の急な凹角を登ってバンドを右へトラバースすると落口の2mぐらい上の岩の台地に立てる。そこからしっかりした踏跡(写真)を下る。
★すぐ上に1mの小滝があって、その上で右からの高巻ルートがかなり上部から斜面を下ってきているのがわかる。
★しばらくゴーロを進むと、幅の広いナメ滝が現れる。釜は結構深い。この沢はこのような深く大きな釜を持った苔蒸した小滝が幾つも連なる谷だ。
★標高530mぐらいで左から涸沢が出合うと、沢は右へ左へ蛇行して2m滝3m滝が連続する。
★下段の2m滝は、手前の釜がすごく深い。滝そのものは傾斜も緩やかで登れなくはなさそうだが、ツルツルそうだ。胸まで浸かって釜に入ってみたが、さらに深そうで滝に取り付きにくいので戻って右を巻く。上段の3m滝も一緒に巻くことになる。
踏跡がある。
★3m滝の落口から下の釜を見下ろすと、下段の2m滝を無理に登らなく良かったと得心。3m滝の釜は大きく深い。2m滝を登ってもすぐに泳ぐようになりそうだし、3m滝の傾斜は下段よりもさらに緩やかだが、ヌメ
っていて登れそうもない。
★3m滝上はナメになっていて、この後も1.5mナメ滝、1mナメ滝と続き、そのうち谷が少し開けてきて右はるか上にガードレールが見えてくる。
★見えたり見えなくなったりしていたガードレールが近づいてきて、最後には沢と並び林道は終点となるが、仕事道としてまだこの先標高800m付近まで沢沿いに続いている。
★単調なゴーロも仕事道が山に消えていくと、水も涸れる。
★二俣を左に入ると、すぐに6m滝、10m滝と涸滝が続く。6m滝は左から取り付く。10m滝は、左端の凹角を登る。最初の一歩が滑りそうだが、そこを抜けると上は傾斜が緩む。
★少し上にも凸凹の階段状の6m滝があるが、簡単だ。
★すぐに短いゴルジュ風地形になって、抜けたところが奥の二俣となる。直進の右俣は水流が見えるが岩床も消え明らかに支流で、本流は直角に左折する左俣だ。左俣奥には乾いた岩の1〜3m滝が3、4個続いているのが見える。
★25000図では、本流はこの涸滝群の上でさらに左右に別れ、右は稜線登山道の平丸分岐に、左は平丸分岐と黍殻山との中間点あたりの登山道に出ることになるだろう。
★今日は、焼小屋沢との境界尾根を下り、尾根の途中から伊勢沢へ下る道を見つけることにしているので、この奥の二俣で境界尾根に直接ツメる右俣にとることにし、少し遠回りとなる本流である左俣はカットした。
★右俣は、急な泥の溝となって植林帯に消える。そのまま植林帯の急斜面を這うように登って行くと、登山道のある稜線から派生する尾根の最上部に飛び出す。
★斜面は植林帯なのだが、登り着くと雑木の台地となって、ほとんど平らに直進すると3分で登山道に合流する。
★Uターンして伊勢沢・焼小屋沢の境界尾根を下る。踏跡は不明瞭だが尾根を外さなければ迷うことはない。
★伊勢沢沿いの仕事道に下るには、1000mから960mぐらいのところで右に分岐する尾根を見落とさないようにしなければならない。980mあたりで尾根が幾分左に曲がり始める。ここで右の斜面に近い尾根を下ることにする。(尾根をもう少し下まで下るルートは焼小屋沢のページを参照のこと)
★明るい植林帯を左へ左へと下っていくと、鹿柵が現れる。ドアが開いているので中に入って、なるべく柵から離れないように下っていくと2ヶ所ほど脚立で柵越えできるようになっているが、それは無視して下っていくと仕事道がやっと現れた。
★この仕事道に従って下っていくと鹿柵出口となり、少し下ると沢に出た。
★沢沿いの道は何度か沢を丸木橋で横切り、林道終点までは迷うところはない。