あの山この沢
丹沢、神ノ川社宮司沢
中流域に滝が集中する全体的に明るい沢
袖平山からの西尾根の一部不明瞭な道を下山
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コースタイム
社宮司橋(神ノ川キャンプ場)410m→(10分)第1堰堤上435m
→(30分)第2堰堤上535m→(15分)三俣状550m→(40分)二条4m滝790m
→(20分)大ナメ上2段9m滝下885m→(15分)3段14m大滝上955m
→(5分)二条5m滝上975m→(25分)沢のドンヅマリ地形1140m
→(5分)右の小尾根上1190m→(15分)袖平山の西尾根の道1335m→右へ
→(20分)1141m地点ピーク1141m→(45分)エビラ・社宮司分岐点695m
→(10分)エビラ沢右岸道550m→(10分)エビラ橋420m→(5分)社宮司橋
2005年9月10日
★神ノ川
林道に入ってはじめにあるマス釣り場が神ノ川キャンプ場。ここはシーズンともなると、釣り客だけでなくオートキャンプやバンガローに泊まる人たちで賑わうキャンプ場だ。通常のマス釣り場よりはきれいに整備されていて、冬場でもオートキャンパーがいる。
この神ノ川キャンプ場の入口の20mぐらい先の橋が社宮司橋、左の谷が社宮司沢だ。
★この橋の先で林道が大きく右にカーブするあたりが道幅も広くなっているので、車はここに止める。キャンプ場の出入口の真ん前だから、一応キャンプ場の人に一声かけておこう。気持ちよく沢登りするためにはマナーも必要だ。
★橋から第1堰堤まで数十mは車が入れるほど沢岸が整備されている。第1堰堤は少し手前から右に巻道があるが、取り付きが分かりづらい。左の急斜面を這い上がってトラバースする踏跡もある。
★堰堤の上からは谷幅の広い穏やかな流れが続く。河岸の疎林帯を歩く方が早い。
★単調な河原歩きに飽きるころ巨大な第2堰堤が現れる。右岸の炭焼き跡裏から右上に巻道が付いている。危険なところにはロープも張ってある。
★再び単調な河原を進むと、沢は三俣上になり、本流は大きく左に曲がる。正面からは比較的水量の多い滝が流れ落ちてきて、右からは細い流れのルンゼが入り込む。正面の沢は滝が連続しそうだが、この上部が袖平山の西尾根の植林帯のだたっ広い尾根だから、多分それほど奥域のある沢ではないだろう。
★左折すると沢幅も狭くなり、沢床は岩盤となっていたる所きれいなナメや水の透き通った淵が現れ、1〜2mの小滝も現れる。
★三俣状から約10分で左から水量比1:4で小沢が滝となって合わさる。そこからさらに10分ぐらいで右からガレ沢が合わさる。さらに10分も歩くと2条4mの幅広ナメ滝(写真)となり、ここからこの沢の核心部となる。
★小滝が連続するが、どの滝も傾斜が緩いので難なく越せ、どれを滝といえばいいのか分からなくなる。3mトイ状滝(写真)を過ぎると、右から沢が出合い、本流は6mナメ滝となる。
★なおも小滝やナメを快適に越していくと、左手右岸に白っぽい大岩壁が見える。このすぐ上が2段9m滝だ。下段3mはナメ、上段6mは水流の左側を登る。水流
右側は傾斜はないがヌメっていて怖い。
★すぐに3段13m大滝となる。下段2mを登って、中段6mは左壁を登る。左のバンドが階段状でそんなに難しくはない。上段5mの直登はずぶ濡れになるので、左壁を攀じ登って、上の狭いバンドをへつれば落口に立てる。左壁の最初の一歩が腕力登攀だ。
★沢が左に曲るとすぐにすごく幅の広い2条5m滝が現れる。いちばん左の落差が小さくなった部分を登る。最左端の
水流際頭の上ぐらいの位置に錆びたハーケンが打ってあり、黒く変色したスリングがかかっている。このハーケンに頼る必要はないが、ここがルート。ホールドは豊富。真上には岩がハングして覆いかぶさっているので、右の水流側に逃げて直上すれば簡単に抜ける
ことができる。
★2条5m滝でこの沢の核心部は終わり、10分もしないうち、およそ1020m付近で水が涸れる。
★かなり傾斜のあるガレを登っていくと、湿った涸滝に行く手を塞がれる。この滝はヌメッていて怖い。もう右手にはすぐそこに尾根が見えるので、あえて危険を冒してまで、まだ先までツメて行く必要もないだろうから、ここから右手のルンゼに入って小尾根に這い上がる。5分もあれば小尾根上に立てるが、これはまだ袖平山の西尾根で
はないので、この痩せた小尾根をもう少し上まで登る。
★高度差にして約140m急峻な小尾根を登ると、顕著な踏跡のある尾根に辿り着く。右手のこれから下山する尾根がグングン迫ってくるので何も直上する必要もないのだが、右へトラバースするには急峻すぎる。疲れていても仕方なく尾根の交差点まで直上するしかない
だろう。
★袖平山山頂からの下山路は山頂付近2ヶ所だけ社宮司沢側の斜面に迂回するところがあるが、上から2ヶ所目の
所にちょうど合流することになった。左に高度差約90m登れば山頂だ。
★下山路の詳細は「袖平山からエビラ橋・社宮司橋へ」のページを参照のこと。
★植林帯あたりで道が不明瞭になるが、かすれかけた赤ペンキ印を目印に下降していくと、およそ70分で25000図や昭文社の地図にある722mピーク直下の社宮司沢とエビラ沢を結ぶ作業道の分岐点=十字路に達する。左へのトラバース道がエビラ沢出合(エビラ橋)へ、直進の登り道が社宮司沢出合(社宮司橋)への標識が出ている。
★社宮司橋へ車を止めたのなら、当然この分岐点から直進すればいいのだが、途中薄暗い植林帯で道が分かりづらくなりやすい。登り返しも結構しんどい。この道を探しながらのアップダウンで、分岐点から社宮司橋までは前に33分もかかっている。
参考タイム(2004年12月18日)十字路695m→直進→(5分)ピーク722m→真北方向へ(右前方)→(8分)小ピーク600m→(20分)社宮司沢橋(神ノ川キャンプ場)410m
★今回は、この分岐点から道の明瞭なエビラ沢経由で下山してみた。しばらくピークの南側をトラバースした後、ジグザグに下降してエビラ沢をすぐ下に見下ろせる右岸水平道に合流し、そのまま沢沿いに小さくアップダウンしていくとエビラ沢出合の巨大連曝帯の上に達し、小尾根を下ればすぐにエビラ橋に降り立てる。ここから舗装路を約5分も下れば(ほとんど水平)、社宮司橋に戻れる。先の分岐点からおおよそ25分だ。このルートの方が道迷いはありえないだろうが、疲れたきった足にはエビラ沢への転落に注意ってところか。