あの山この沢
谷川岳、湯檜曽川東黒沢白毛門沢
きれいなナメと適度な滝、源流部の笹原に大スラブで突き上げる沢
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コースタイム(5人
)
土合橋の駐車場700m→(25分)ハナゲの滝795m→(15分)白毛門沢出合830m
→(45分)8m滝下1010m→左を高巻き河原に下降(15分)1055m→
(15分)タラタラのセン直下1080m→左を高巻き河原に下降(10分)1110m→
(5分)大岩上1120m→(10分)二俣1190m左へ→(15分)奥の二俣1250m左へ
→(30分)さらに二俣1390m左へ→(60分)白毛門頂上1720m→
(30分)松木沢ノ頭148m→(40分)タラタラのセン展望台1200m→(45分)駐車場
2004年9月19日
★白毛門沢に入るのはこれで2回目だ。前回(1995年9月9日)遡行した時は、うかつにもタラタラのセン手前のどこかで地図や遡行図、手帳をなくし、滝やナメを少し下って探したのだが見つからず、結局ルート図もないまま、それに記録を取れないままの遡行になってしまった。もっとも高度計付きの腕時計はやはりなかなかよくできたもので遡行に要した時間や頂上に着いた時刻、下山した時刻などは分かるので便利だ。
★ハナゲノ滝まではその後もレスキュー講習や訓練で何度も歩いているので、今回は、駐車場を出てすぐの堰堤を越したところからすぐに沢に入ってみた。
★古い解説本では東黒沢の右岸に渡って白毛門への登山道から別れしばらく右岸の道を辿ってナメが始まるあたりで沢に下りることになっている。前回遡行したときはこのルートで沢に入った。しかしまた、この右岸の道とは別に堰堤上から左岸伝いにハナゲノ滝手前までしっかりした踏跡もある。かなり不明瞭だが、ハナゲノ滝から上にも右岸沿いに道はある。
★沢登りに来たのなら、悩むことなく出だしから沢に下りて歩き始めた方が速いだろう。沢に入ってすぐに小規模なナメに2箇所出会える。
★3箇所目のナメが始まると、沢はすぐに大きく左に屈曲し、眼前にハナゲノ滝が広がる。ハナゲノ滝は斜度はそんなにはなく、水流の左側が登れる。
★右に東黒沢本流を分けると沢は幾分狭くなるが、ナメと小滝が連続する。
★5m二段トイ状滝は滑って登れないので左の岩壁上を巻く。
★8m滝は右が登れるが上部が滑りやすい。前回は右を登ったが、今回はちょうどここでここまで追いつ抜かれつの6〜7人パーティーと一緒になってしまったので、さっさと左の明瞭な巻道に入った。しかし、小さく巻く踏跡(明瞭)を見逃して少し上まで上がりすぎてしまい、小ルンゼを下降して河原に降りた。小滝を2つばかり過ぎた所に出たようだが、下降したルンゼ、これはきわめて安全なルートだった。
★頭上にタラタラのセンらしき大きな滝が見えてきたら、まずは、手前の4m滝を水流右から(左は難しい)登り、次の5m滝も水流右を登る。この上のナメを登りつめればタラタラのセンの真下だ。15mとされているが、もう少し高そうに見える。
★左に明瞭な踏み跡があるので、これを辿って高巻く。大滝すぐ右にチョロチョロ流れ落ちているルンゼの上部バンドをなるべく早めに横切って、大滝壁そばを登って落口に降り立つのがコツだ。しかし、明瞭な踏跡はもう少し上まで登ってからルンゼを横切っているので、大滝落口から大分上流に降り立つことになる。
★尚、この右岸高巻きルートは、もっと手前の4m滝付近からもあるようだが、大滝直下から高巻くルートには、下からの高巻きルートと合流する踏跡はなかったので、もっと上流まで(大滝ちょっと上の20m大ナメを過ぎた大岩上まで?)巻いてしまうことになるんではないだろうか。
★さらに、もっと下流の8m滝の右岸高巻きルートは、かなり上までず〜と踏跡があり、うっかりこれに従っていると白毛門沢のすべての滝場が終わった辺りまで巻くことになりそうだ。この沢は遭難が多いので、救助用に右岸に
かすかな道はあるようだ。
★20m大ナメ手前の4m滝は直登不能に見える。右にしっかりした巻道がずっと上に向かってあるが、この4m滝を巻いたらすぐに沢に降りるほうがいい。降りたところから綺麗な大ナメが始まる。
★この大ナメは全体的には水流の左から左隅が一番登りやすい。先の高巻きルートでもう少し上まで行ってナメの途中で降り立とうとすると、とても登りやすいとはいえない大ナメの水流右に出てしまうことになりそうだ。
★大ナメ最上部の大岩には、左から基部に辿りつき、基部を右にトラバースして右を抜ける。大岩を過ぎると正面上部に白毛門頂上やその下のジジ岩が見えた。ババ岩はもう少し上流の二俣付近まで行かないと見えない。
★大岩を過ぎると沢幅も狭くなり、流れも細くなる。すぐに水量比1:1の二俣だ。
★二俣を左に入るとナメ状の小滝の連続で傾斜が徐々にきつくなる。
★奥の二俣は、今回は右の方だけ水流があって、左の本流は水流が一滴もなかった。たまたま晴れていて頂上が見えるから、水流のある右は頂上から離れてしまうことが分かり、こちらは×だと判断でき
たが、ガスでもかかっていたら迷いそうだ。しかし、水流のない左の方が溝の幅が圧倒的に広く、水流のある右は笹薮に覆われるほどの細い溝になっているから、迷ってはいけない。
★さらに奥でまた二俣となるが、ここも頂上をよく見据えて、左をとる。スラブの傾斜はさらにきつくなり、幅も広がり、岩登りに近くなってくる。
★広大なスラブも草付きに変わってくると、溝の中の踏跡をたどるようになり、藪漕ぎなしでじきに登山道に出る。右に3mも行くと、白毛門頂上の標識のある山頂だ。
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