あの山この沢
八ヶ岳 立場川左俣
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参考タイム
舟山十字路1610m→(30分)旭小屋1740m→(10分)川に降りる→(15分)1番目の堰堤
→(30分)2番目の堰堤上1880m→(40分)ハシゴのある2m滝1960m→
(17分)岩の下くぐって滝1990m→(60分)ノロシバ沢2010m→(40分)ゴルジュ最狭部2180m
→(25分)高巻き終了2210m→(20分)キレット沢2250m→(15分)二股2280m
→(20分)水枯れる2360m→(65分)稜線(阿弥陀岳と中岳のコル)2640m
2001年7月14日
★旭小屋を過ぎても林道はまだ続くが、そのうち雑草が背丈を越すようになるので、そのあたりから右の川に降りて遡行開始。はじめのうちは、岩がゴロゴロしていて歩きにくい。
★すぐに両岸が迫って川は右に左に屈曲を繰り返すと、最初の堰堤が現れる。左岸に多分昔の作業道らしきしっかりした踏跡がある。朽ちた木のハシゴも掛かっている。
★次の堰堤も左岸にしっかりした巻き道がある。河原に降りるところにはトラロープもある。
★最初のゴルジュ帯は両岸の岩壁が切り立って、巨岩が流れをせき止め滝となったり、流れが巨岩の下にあったりで面白い。
★青ナギは南稜の稜線から眺め下ろすと広大なザレの斜面に見えるが、実はもろそうな(手で触って崩れるわけではないが)岩壁で、けっこうデコボコしていて、洞穴状のものもたくさんある。
★第2のゴルジュは一見の価値がある。両岸は狭まり、特に左岸が張り出して頭上に覆いかぶさり、3mぐらいから上部は幅1mもなく、上部からの大岩の落石でつながっているところもあり、水流は幅2mぐらいはあるが真っ暗で、深いのか浅いのかもよく分からない。実際は、土砂で埋まっていて浅い。
★このトンネルのような長さ20mのゴルジュの出口には1段目1.5mの滝、その上はきれいな丸い大きな釜で、左からハングした5m滝が流れ落ち、空が見えるが、釜から見上げるこの上もゴルジュは続いている。
ちなみに白水社版「日本登山体系『八ヶ岳・奥秩父・中央アルプス』」によると6m滝となっているが、せいぜい5mだろう。手前のナメ滝も昔は釜があったのかもしれないが今は土砂で埋まっている。
★このトンネル状ゴルジュの通過は不能のようなので、ゴルジュ入口に左岸から入るチョックストンを持ったルンゼを登る。登り口の大岩に赤ペンキ印がある。30mも登ると右手が岩壁上の急傾斜の樹林になるので、踏跡を見つけ右上する。いい加減登ると、下降気味の急斜面のトラバースになり、前方はるか下に河原が見えてくる。滑り落ちないように灌木に掴まりながら下降すると、河原に降り立てる。
★ここからの河原は谷も開けて、随所にナメや小滝が出てきてとてもきれい。
★二股は思ったよりかなり手前に現れる。というより、二股からツメまでが長いのか、中岳から派生する尾根が意外と大きい。
★二股を左に入ってしばらくは草原状の中の流れだが、やがて水も涸れ、草原に灌木が混じって藪っぽくなってくると、行く手をハイマツの密林に塞がれる。右手に古い赤テープがあり、これを目印にハイマツの中を約1時間猛烈な藪漕ぎで、阿弥陀岳と中岳のコルの登山道の道標がある所に這い上がれる。ハイマツの背丈があり、跨いだり下をくぐったりで、かなりのアルバイトだ。
★山と渓谷社のアルペンガイドによると、「草原になり、その中の踏跡を忠実につめてコルにでる」となっているが、本当にツメまで辿った人が書いたのか疑問が沸く。冬場にコルから眺め下ろす立場川源流は見事な雪の斜面になるが、夏場は稜線からはるか下まで一面ハイマツ帯で、これがまたかなり太く大きいので、ほんの数メートル進むにもかなりの労力で、それが約1時間以上続くわけだから、この点を触れてないのはおかしい。白水社刊の前掲書の丸写しでしかなさそうだ。
★美濃戸口へ下るなら、ここから行者小屋経由南沢道がいちばん早い。
参考タイム 阿弥陀岳と中岳のコル→(25分)行者小屋→(85分)美濃戸→(45分)美濃戸口
★舟山十字路に車を置いている場合、美濃戸口に降りてタクシーで車を回収するのが楽かもしれない。ちなみに、阿弥陀岳に登って御小屋尾根を下り、「財産区境界標識」(不動産明認方法の典型的事例のような見事な明認立札の密林となっている場所)から直進し、舟山十字路に下山できるが、阿弥陀の登りがしんどい。阿弥陀からの下りは一気で、けっこう早く降りれる。
参考タイム(1997,11,2) 阿弥陀岳と中岳のコル→(30分)阿弥陀岳→(60分)不動清水→(30分)美濃戸分岐(例の境界標識)→(23分)虎姫神社→(4分)未舗装林道→(18分)舗装林道→(5分)舟山十字路