八ヶ岳 赤岳天狗尾根

あの山この沢

八ヶ岳 赤岳天狗尾根
キレットを経てツルネ東稜を出合小屋へ下降

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出合小屋付近から
大天狗と赤岳を見上げる

天狗尾根取付点

取付点から見る赤岳

下部からの権現岳、旭岳

中腹から見える
大天狗と赤岳(右)

権現岳、旭岳方面を望む

樹林帯の灌木とブッシュ

岩稜帯が始まる

大天狗、右奥に小天狗

小天狗の奥には赤岳

権現岳が低くなる、
右の雪原がツルネ

大天狗から振り返る

キレット付近から赤岳
(左端)を振り返る

キレットから見る大天狗

ツルネからの下りは吹雪

参考タイム(重装備)
美し森林道ゲート1580m(30分)林道終点(ここから河原)1650m
(40分)
最後の堰堤1780m(40分)出合小屋1840m赤岳沢に入る
(20分)天狗尾根取付点1880m(15分)尾根1980m(70分)小さな岩峰2140m
(120分)岩峰帯始まる2550m(50分)大天狗2700m(10分)小天狗2720m
(15分)縦走路2735m(40分)キレット2450m(70分)ツルネ三角点2550m
(10分)ツルネ下降点→(70分)地獄谷本谷出合1920m(12分)出合小屋
(45分)林道→(25分)林道ゲート

2001年12月31日〜2002年1月2日
★積雪が深ければ清里美し森の大泉村営大駐車場に車を止める。大駐車場横から『八ヶ岳横断自然歩道』にもなっている林道をゲート(今は開いたままになっている)のある所まで車で入ると徒歩1時間分節約できる。(大駐車場のトイレは冬季閉鎖)
★ゲートから先の林道が大きく右にカーブし山腹を登り始める所から元工事用の林道に入って直進すると、自然に河原に出る。堰堤が8個あるが、一番最後の堰堤以外は全部左岸側を乗っ越す。トレースが右岸についている年もあるが、 左岸の方が歩きやすい。
山と渓谷社の『アルペンガイド』など、いくつかのガイドブックでは工事用林道に入らず、林道を忠実に出合小屋付近まで行けばよいと書いてあるものもあるが、この林道は途中側壁の崩壊地もあるし、終点から地獄谷に下りる 道・ルートはない。終点手前の権現橋から沢に降り、この沢を下降しても岩壁(滝)の上にたどり着き、約5m下の河原に降り立つには下降した沢の右岸から笹に掴まりながら滑り降りるのに苦労し、時間がかかる。
◎無雪期参考タイム(1996年11月3日)  上記林道ゲート→(25分)河原への林道分岐→(65分)林道終点(出合小屋手前上部)1915m(20分)地獄谷河原1815m(6分)出合小屋
★堰堤を過ぎると両岸が迫ってきてやっと沢らしくなり、道(踏跡)もしっかりしてくる。
出合小屋付近は沢から給水もでき幕営適地であるが、天狗尾根からツルネを経て1日で帰って来るにはかなりの体力がいる。そこでビバークの準備も必要となると、単独で挑戦するにはベースとビバーク用の装備は無駄があると考え、今回はベースキャンプをやめテントを背負って天狗尾根に登り途中で幕営することにした。これが下部の長い藪尾根登攀でかなり疲労困憊の原因になってしまった。
★出合小屋の直ぐ先で右から出合うのが赤岳沢。赤岳沢は完全に雪で埋まっている。赤岳沢に入って予定より約10分早めにトレースが尾根に向かっていたが、尾根の背に出てもどうせ藪だらけだから何処から取り付いても同じだろう。
岩稜帯までは下部は笹藪、上部は石楠花と、灌木と倒木と藪の跨いだりくぐったりの大変な急登だ。
☆今年は雪が多そうだから、急登の尾根でも幕営できるぐらい積雪はあるだろうと思っていたが、それほどでもなく、適地を見つけるのが難しかった。これ以上上部に行くと適地がなくなるかもしれないと早めに幕営。
長い樹林帯を抜けるとやっと岩稜帯になるが、どこもさほど困難な所はない。ただし、八ヶ岳特有の強風に痩せた部分は緊張させられる。
私のデジカメ(SONY Cyber-shot)は電池大食いのうえ、ちょっと寒いとスイッチも入らなくなる(12月1日の八ヶ岳でもうダメ)ので、今回はオーバーズボンのポケットに電池を入れて撮影の度に出して電池を入れてみたが、ズボンが強風にさらされるだけで全然ダメであった。予備とともに股間で温めておいても用をなさないカメラなど、山岳と言わずスキー場でもダメかもしれない。
大天狗までに2箇所ほど厳しい部分もあるが、ホールドがたくさんあるのでロープが必要というほどではない。
大天狗手前になると、直ぐ左手に縦走路のハシゴ等が見える。
★小天狗から縦走路までの痩せ尾根、縦走路のキレットへのガレ場の下りは猛烈な強風で、体のバランスを保つのが大変。
縦走路に出て右に行くと、約23分で真教寺尾根分岐、約35分で赤岳頂上に立てる(無雪期)。
★縦走路の赤岳からキレットへの急な下りは強風が吹き荒れてまっすぐ歩くのが大変だ。雪も吹っ飛んでいる所が多い。
キレット小屋への道は積雪で埋まり、稜線を忠実にたどるトレースしかなかった。
☆ツルネ手前直下の樹林帯でビバーク。日没とともに猛烈な吹雪になり、翌朝までに稜線でも20cmも積雪。ツルネの稜線のトレースはなくなっていた。

ツルネは遠くから見ると丸いピークだが、同じくらいの高さのピークが3つ連なっている。出合小屋への下降路がある『ツルネ東稜』は3つ目、縦走路がやや右に折れる所である。ピークのハイマツの枯木に赤テープが目印。左の顕著な尾根に赤テープや黄テープ、赤布色があるので迷うことはない。
ツルネから痩せた尾根を忠実に下っていけばいいのだが、一箇所尾根が二分するところは左にとる。(このあたり夏道は錯綜しているので注意が必要。)
★ツルネからの下りは稜線直下は吹き溜まりになっていて、40cm以上の積雪で、前日まであったはずのトレースが消えていた。急な尾根なので下るにはラッセルも困難ではなく、笹も雪の下で、あっと言う間に地獄谷出合に降り付く。
出合から出合小屋までもトレースが消えていたが、このあたりの地形は飲み込めていたので、迷うことなく歩けたが、右岸台地を外さないようにすればよい。ただし、過去の雪崩情報では権現岳側斜面からの雪崩で事故もおきているので要注意。

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