あの山この沢

南秋川小坂志川、ウルシゲ谷沢

4段28m大滝のある右俣を遡行し、
10m滝のある左俣を下降

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ウルシゲ谷沿い
の林道を最初の
二俣まで歩く

最初の二俣
ここで沢支度を
すればよい

すぐに狭いゴルジュになる
水量は少ない

右俣出合の15m滝

15m滝を登る

4mCS滝を攀じる

倒木の架かる5m滝

8m滝は右を登る

3m滝が連続する
どれも簡単に越す
ことができる

2mのトイ状滝

膝まで潜る落葉で
沢床が見えない

市道山から西尾根
を急下降する

鞍部から植林帯
を急下降する

左俣の奥の二俣
写真は右沢

落葉も少なく、すぐにゴルジュになる

10m滝、懸垂下降

5m滝、左に巻道

3m滝
左に巻道があるのでそこを下降する

3m滝
左に巻道、滝壁を
下降することもでき

5mトイ状滝

コースタイム
ウルシゲ谷沢出合400m沢沿いの林道を歩く(10分)最初の二俣465m
(15分)二俣500m→(10分)2段8m滝上545m(10分)3m滝3つ目上1060m
(10分)奥の二俣590m左へ(20分)稜線(717mピーク近く)710m右へ
(3分)
登山道700m(15分)市道山山頂795m西へ
(5分)鞍部745m(10分)左俣の左沢の源頭640m
(3分)奥の二俣610m(10分)10m滝上570m(20分)5mトイ状滝下520m
(3分)二俣→(15分)最初の二俣→(5分)ウルシゲ谷沢出合

2007年3月31日
南秋川の小坂志川は源流となる背後の山々の標高が低いためか西隣の矢沢流域に比べると水量が少ない。小坂志川は「関東ふれあいの道」のハイキングコースのある醍醐丸から連行峰を源流とするが、その支流ウルシゲ谷沢は稜線から派生する吊尾根の市道山を源流とするこじんまりとした、しかし滝の多い沢である。
一般にこの沢は「ウルシゲ谷沢」(山と渓谷社『奥多摩の谷123ルート』1996年版)と記されているが、別のガイドでは「ウルシヶ谷沢」とされることもあるようだ。右俣左沢の源頭の25000図上の717mピーク も、「ウルシガヤの頭」とか「ウルシヶヤの頭」というようだ。
小坂志川沿いの林道は、ウルシゲ谷沢出合に架かる橋の手前で、左のウルシゲ谷沢沿いに延びる林道と二手に分かれる。ウルシゲ谷林道は入口にロープが架かっているので、この出合手前に車を止める。2台ぐらい止められる。
★最初の二俣までは沢沿いに延びる林道を歩くことにし、この二俣から沢に降りる。林道は右の沢に沿ってさらに延びている。
★沢に入るとすぐに狭いV字谷になり、ゴルジュのなかの小滝をいくつか越していく。
★二俣は、見た目には最初の二俣のような二俣らしい地形ではないが、手前から大滝が見えるのですぐに分かる。右俣は左岸はるか上から滝で落ちている。出合には巨岩が重なり、滝壺はないが台地上になっている。
始めの15m滝は一見難しそうに見えるが、左側のルンゼを登り、最上部で右上するクラックを頼りにカンテを乗っ越して、流水に足場を求めれば落口にたやすく抜けることができる。 このクラックが滑りやすいので注意が必要だ。
この上はちょっとした広場になっていて、すぐ奥に4m滝、チョックストーン4m滝が連なって狭い滝が一直線に落ち込んでいる。 ほとんどつながっているので、登っているときには1個の滝のような感覚でこの後の5m滝上まで登り着くと1個足りないと感じてしまうが、やはりここは4m滝が2段なのだ。途中で一休みできる広場となっているところで上下別に数えるのだろう。ということで、下の4m滝は 傾斜も緩く簡単だ。
上の4m滝は落口がチョックストーンのようになっているが、岩が挟まっているわけではなく、右岸の岩壁が張り出してチョックストーンのように見える だけだ。滝最上部のこの左からの張り出し部分の通過で、垂直に登るようになるが、ホールドはいくらでもあるので、少しシャワーを浴びながら、足場を水流の中に探すとそれほど困難なく、落口にすり抜けることができる。
★この上で沢は右に曲がって5m滝となる。落口に倒木が横たわっていて、迫力に欠ける。倒木を跨ぐようにして簡単に登ることができる。
ここまで全体で4段28mとされる滝の上でゴルジュは終わり、傾斜もない穏やかな河原となるが、すぐに2段8m滝が現れる。右のルンゼから容易に越せる。
★この後どれも容易に越すことのできる少し幅の広い3m滝が3つ続くと、奥の二俣となる。
今年は雪も降らず、雨も少なかったせいか、ゴーロのはずの河原は落葉で埋まっていて、どこを歩けばいいのかさっぱり見当が付かないくらいだ。それでも右沢はまだ比較的沢床のゴーロが覗いているが、これから進む左沢は落葉で完全に埋まっている。膝までの落葉をラッセルしながら進むと稜線が見えてくる。
★左手上に見えるのがウルシヶヤの頭といわれる717mピークだから、なるべく右へ右へと斜面を登っていくと稜線に達する。
★しっかりした踏跡を2,3分も歩くと市道山まで0.9kmの標識のある吊尾根の登山道に合流する。
市道山からは、看板の裏から西に派生する狭い小尾根を急下降して、鞍部から左の植林帯の急斜面を下る。
★およそ10分、高度にして110mも下ると左俣左沢の源頭のゴーロに降り立てる。植林帯の中に炭焼き跡もあった。
少し先で左俣の奥の二俣だ。右沢には水流がある。左俣は上部が植林帯のため、右俣ほどに落葉で埋まっているようなことはない。ゴーロを下って、ゴルジュ地形になると、10m大滝が迎えてくれる。
10m滝には右岸に高巻ルートがありそうだが、ズリズリ降りるのは危険なので、ここはロープを出して懸垂下降したほうが安全だろう。落口真上に支点にするのに格好の立ち木があって、快適に下降できる。
この後すぐに5m滝、釜の大きい3m滝と続くが、どちらも右岸に巻道があり、危険はない。
続く幅の広い3m滝は幾分寝ているので、右岸の巻道以外に、左端からもズリ下れる。
しばらくすると5m(2段7mぐらいに見える)のトイ状滝が現れる。上の段は降りれそうだが、下の段はツルリンと滑りそうなので、ここも右岸の高巻ルートから下る。
以上、3つ高巻ルートからの下降は、登りに使うと落口にちょうど登りつくようなルートなので、「高」巻きというほどのものではない。落口から自然に右に下ればいい程度だ。
★5m滝を下降すると、もうすぐ先が右俣に15m滝を擁する二俣となり、ゴルジュを通過すると最初の二俣に戻れる。

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