あの山この沢
丹沢、水沢川焼山沢左俣
焼山沢左俣を遡行し「幕岩」に登りつめて
上部岩壁帯から音見沢との境界尾根を下る
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コースタイム
水沢川通行止めゲート350m→伊勢沢林道に入る→→(15分)焼山沢出合(橋)400m
→(40分)水涸れないまま左岸に小屋跡560m→(10分)2段5m滝下585m→
(2分))二俣(右俣に4段7m滝
)600m→正面の左俣に入る→(40分)幕岩直下800m
→(5分)炭焼き跡835m→(10分)両岸岩壁つめのルンゼ下920m
→右岸斜面をトラバース→(15分)尾根の幕岩上鞍部850m
→(10分)尾根の幕岩横鞍部820m→(4分)幕岩基部800m
→(
8分)尾根に戻る805m→(5分)鹿柵750m→(20分)切り通し・林道590m
→(14分)音見橋430m→(25分)倉沢出合360m→(5分)車止めゲート
2007年4月7日
☆水沢川
焼山沢出合までは、「焼山沢右俣」や「倉沢(桃ノ木沢)」のページを参照のこと。
★昭文社のエ
アリアマップ「丹沢」で水沢川の支流に焼山沢と記されている沢は、地元では倉沢と呼ばれていて、この倉沢の上部に幕岩という岩壁があるという。先々週、音見沢を遡行して、この焼山沢と音見沢の中間尾根を下ってその岩壁の場所を確認できたが、焼山沢を登りつめて幕岩基部に行ってみようと思い、普通には
沢屋が入らない左俣を遡行してみた。
☆新緑の季節、奥野
隧道から少し下ったところから、この幕岩はよく見える。⇒写真
★ここ1,2週間の春の雨で、2月末や3月に比べて水沢川の水量は格段に増えて、焼山橋から始まる焼山沢出合の大ナメもナメ全体に水が流れていて綺麗だ。
★大ナメを過ぎると単調なゴーロとなる。2月には水流がすぐに涸れたが、今日は水流が絶えることなく沢らしい様相で、いくつかナメを通過して左岸に壊れた小屋跡に達する。
★小屋跡上で小滝を過ぎると、大きな釜を持った3m滝が現れる。この滝自体が2段になっているが、
手前の釜の左をへつって右に渡り水流右の苔むした壁を登ると簡単だ。
★この上に深い釜を持った2mナメ滝がある。倒木と頭上からの枝で通過しにくいが、左をへつって、流水に少し足先を濡らしながら登る。
★先の3m滝と合わせて全体で2段5mと見るか4段5mと見るか適当だが、滝らしい滝は3m滝と2m滝のみで、今回の沢登りでは滝はここだけで終わる。
★滝上のナメの先で谷は右折し、右から4段7m滝となる。どう見てもこの右が本流で、正面の濡れたナメ滝は上部に大岩が被さっているせいもあって枝沢からのしずくのようにしか見えない。流れだけを見ていると、当然にここが二俣だとは気付かないが、頭上を眺めてみると、左は単なるルンゼや窪みではなく、大きな谷になってるのが分かる。この正面からわずかな水量で注ぐ沢が左俣なのだ。25000図で、ちょうど600m付近の二俣がここだ。
★右俣の4段7m滝は3段目まで登って、ここから最上段は左俣との中間尾根から高巻くことになる。このとき高巻ルートとしての左の小尾根から左俣を眺めてみると、左俣が枝沢ではなく、さらにこの小尾根は左俣との境界尾根だということがよく分かるだろう。(右俣の遡行は、「水沢川焼山沢右俣」のページを参照)
★さて、この二俣から左俣のナメ滝2mを越すには、二俣そのものを形成している大きな滝壺の左をへつって滝に取り付き
ペタペタ這い上がる。チョックストーンのように見える大岩を左からすり抜けると、大きな岩が幾つも転がっているような地形で沢らしく見えないが、それらを抜けると前方にゴーロが広がってくる。
★大きく開けた谷のゴーロは水流はなく、水流があるときもあるのだろう、綺麗に磨かれて綺麗だ。ところどころ藪っぽくなって歩きにくいところもある。左右のどこかに昔の仕事道があるはずだとうろうろ探しては見たが、それらしき踏跡は見当たらなかった。
★徐々に傾斜が増し
ゴーロが大きなゴツゴツした岩に変わってくると、右岸に下部がそこだけ植林になっている顕著なピークが見える。尾根も見渡せる、しかし下部が見えない。これが幕岩に違いないと思いつつも、岩壁らしき様相が見えないのでもう少し沢を登ってみることにした。
★右岸台地に炭焼き跡を見て、さらに進むと両岸が立木の生えた岩壁帯になってくる。岩壁には幾つものルンゼが音見沢との境界尾根に突き上げているが、どこからも尾根が見通せない。先日尾根を下降したとき、垂直に切れ
落ちていた風景はやはりもう通過してしまったと確信し、ドンヅマリ風の所でUターン。
★どこかのルンゼをツメて尾根まで這い上がってみたくもあったが、今日の目的は幕岩基部からの幕岩全貌の観察だったので、少し下ってから、沢床からの急斜面の這い上がりを避けて、植林帯最上部目指して右岸斜面をトラバース気味に下りながら横移動を開始。
★ところが、幕岩基部を目指す予定のトラバース開始が少し早すぎて、幕岩頂上部の尾根鞍部に出てしまった。ここから立木を掴まりながらの尾根の急下降で、幕岩を横から眺められる尾根鞍部に一旦降り立つ。(この尾根の下降は、「水沢川音見沢」のページを参照)
★この鞍部から急斜面の植林帯を幕岩基部を目指して
ズルズル下降。基部に達しても急傾斜でじっと立っていられないほどだが、この幕岩の高さはせいぜい30m、幅は40〜50mといったところか、植林と藪で全貌は見通せない。昔、植林をする前には、沢のかなり下部からでも見通せたそうだ。今は植林が育ち過ぎて全貌を見通せる場所はどこにもなさそうだ。
上流の岩壁群とは違って、ツルンとした一枚岩の垂直に近い岩壁だ。
★尾根に戻りながら、その昔仕事道があったそうだから探してはみたが、ほとんど踏跡らしきものも見当たらない。ズリ下がりそうな急斜面をかろうじて獣道らしき跡を追って辿り
着いたのは、幕岩を横から眺められる尾根鞍部から1つピークを越した鞍部(平坦地)だった。
★ここからは尾根を忠実に下って、切り通しからは林道をトボトボ下ってみることにした。音見橋までは約15分で
辿り着くが、この林道は下ってきた尾根の南面を一旦西に向かうので、音見橋から倉沢出合までは舗装道とはいえさらに約25分もかかったので、尾根通しに忠実に下るよりも約15分ぐらい余分にかかってしまったことになる。