あの山この沢
丹沢、早戸川原小屋沢又兵衛沢
蛭ヶ岳から中ノ沢出合へ下る
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雷滝 15m |
8m滝 |
10mトイ状滝 |
6m滝 |
滑滝がきれい |
ばけもの滝10m |
ガータゴヤ滝30m |
まだ所々残雪がある |
蛭ケ岳から宮ケ瀬湖 |
丹沢山への稜線 |
玄倉川方面 |
鹿の群れる山頂 |
広い斜面の北東尾根 |
美しい疎林帯 |
ヒトリシズカ |
コースタイム
丹沢観光センター600m→(15分)伝道(林道終点)685m→(30分)雷平810m→
(10分)中ノ沢出合850m→(5分)雷滝890m→(30分)かさぎ沢出合1020m→
(12分)ばけもの滝1060m→(23分)3段25m滝→(26分)ガータゴヤ滝1160m
(又兵衛沢出合)→(65分)又兵衛沢つめの泥溝→(20分)蛭ヶ岳頂上1673m
→(中ノ沢と又兵衛沢の中間尾根)→(30分)鹿柵1230m→(鹿柵の外側)
→(30分)中ノ沢出合850m→(50分)丹沢観光センター
☆ガイド☆
2000年4月22日
★ この沢は昭文社刊の山と高原地図の『丹沢』で「ボッチ沢」と記されている沢である。もっと古い日地出版の地図『丹沢山塊』では「ボッチ沢」と記されているのは、昭文社の地図で言う一つ上流の又兵
ヱ沢(又兵衛沢)のことを指している。
★ しかし、地元の山仕事関係者や猟師たちの間では、「ボッチ沢なんて名の沢はないよ、早戸川には」ということで、ボッチ沢の記載は明らかに間違いだ。もともとこの地域ではボッチとは窪地(盆地)のことをさし、沢を指す名称ではないそうで、蛭ヶ岳から縦走路を地蔵平に急下降してきたとき右手に平坦な地形が現れるが、この辺りの窪地のことがボッチと言われている。
★ ここで取り上げた又兵衛沢は、ツメで蛭ヶ岳山頂に至る泥ルンゼではなく、右の俣に入ったとしても、その平坦地のボッチにはつめないので、ボッチ沢とするには無理がある
ように思われる。
★ 「ボッチ沢」については『かさぎ沢』や『かやの沢』のページでも触れてます。
★ 昭文社の地図での「又兵ヱ沢」(又兵衛沢)は地蔵平・地蔵ノ頭を源頭としているので、地元で言われている「地蔵ノ沢」(地蔵沢)のことではないだろうか。
★ (2005年追記)昭文社の地図『丹沢2005年版』は2005年に全面改訂版ということになって、このボッチ沢の名称が削除された。
★ (2005年追記)ガータゴヤの滝までの原小屋沢の遡行は「早戸川原小屋沢」を参照
してください。
★ 雷滝からかさぎ沢出合までは、沢沿いにしっかりした踏跡がはじめ右岸、後は左岸についているので(徒渉は2か所)、あえて沢に戻らないと沢登りの醍醐味を味わえない。
★ 又兵衛沢はガータゴヤ滝の手前右岸に注ぎ込む。出合は大岩の重なり。写真に写っているように水量は少ない。
★ 泥の溝を忠実につめると、蛭ケ岳山頂の山荘横の鹿柵際に出る。
★ 又兵衛沢と中ノ沢の中間尾根を下るには、今登りついた柵の末端から尾根のてっぺんをはずさないように下る。「御成マットクラブ」の黄色い道標が所々ある。
★ 尾根の右手の縁にも目印のスズランテープがあるが、これを下っていくと、疎林帯の下部で左に回り込み尾根道に戻るところが分かりにくく、水晶崩レ沢の源頭を左に見るようになると下り過ぎ。ここまで下ってしまったら、かなり目立つ赤布を頼りに強引に下ると、水晶崩レ沢の枝沢に降りれる。この枝沢も水晶崩レ沢も水流はなく、石ころを伝って中ノ沢に出れる。途中5m滝が1か所あるが、問題なく降りれる。
参考タイム 蛭ヶ岳に山頂→(中間尾根の右端)→(35分)水晶崩レ沢枝沢の源頭→(25分)中ノ沢→(15分)中ノ沢出合(原小屋沢)
★ 鹿柵のあるところからは、鹿柵の中に入って黄色いスズランテープに従って杉林をジグザグに下るのが一番速い。鹿柵出口まで15分。出口から尾根取付き点まで10分。取付き点(中ノ沢)から尾根末端(中ノ沢出合)まで1分。
★ 鹿柵の外側の踏み跡は柵に沿っているが、柵が右に折れる所から踏み跡が不明瞭になる。左のスズランテープに従うと雷滝右岸高巻きルートに上部から合流する。鹿柵入口から鹿柵末端まで15分。末端から雷滝下まで15分。中ノ沢出合まで5分。
★ 鹿柵末端(鹿柵が右に折れる所)から赤ガムテープや「御成マットクラブ」の標識を探して下る(所々はずれてとんでもない所に落ちているので注意!)と、急斜面やかなりザレた所や藪をくぐることになるが、尾根のてっぺんをはずさなければ、15分で尾根末端、中ノ沢出合に降り立つ。
★ この尾根を登路に利用して蛭ヶ岳に登るのが、どのルートよりも最短である。中ノ沢出合から中ノ沢に入り2分で左岸の樹林に赤や黄のガムテープがある。ここが取付き。始めは急斜面で滑りやすい。ジグザグに登っていくと鹿柵の入口にたどり着く。赤テープはここまで。鹿柵の中は杉林で薄暗い。しばらく行くと右上にスズランテ−プがなびく柵も見えるが焦らず仕事道をたどると、出口に至る。後は明瞭。「御成小学校」の遭難慰霊碑(見つけにくい)のあるあたりから頂上直下までの広い疎林帯になるが、このあたりから踏跡が不明瞭になる。白のスズランテープは尾根のてっぺんから極端にはずれ、水晶崩レ沢の源頭をかすめ、疎林帯の左端にトラバースしているが、頂上直下で右に戻る。尾根のてっぺんを忠実に行くのが正規のルートで「御成マットクラブ」の道標もある。
コースタイム 丹沢観光センター→(55分)中ノ沢出合→(2分)尾根取付き→(25分)鹿柵入口→(30分)鹿柵出口→(35分)慰霊碑→(30分)頂上